管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問145
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問145 (訂正依頼・報告はこちら)
術後の栄養管理上の注意点に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 人工肛門造設後は、水分制限を行う。
- 肝臓がん術後は、分枝アミノ酸を制限する。
- 術後イレウスでは、下痢を呈する。
- 胃切除術後では、カルシウムの吸収障害を呈する。
- 子宮がん術後では、ダンピング症候群を呈する。
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この過去問の解説 (3件)
01
2. 肝細胞がんの術後は、分岐アミノ酸を制限ではなく投与する場合があります。よって誤となります。
3. 腸イレウス(腸閉塞)は、腸の内容物の通過障害のため腹部膨満、腹痛、嘔吐などがみられます。下痢ではなく便秘がみられるので誤となります。
4. 胃切除後では、胃液がなくなるので胃酸、ペプシン、内因子が不足します。胃液によって鉄やカルシウムを十二指腸で吸収するためにイオン化をしていたものができませんので、カルシウムの吸収障害が起こります。よって正となります。内因子はビタミンB12の吸収に必要なのでビタミンB12も不足しやすくなります。
5. ダンピング症候群とは、胃全摘出などの手術後、食後に消化器症状や循環器症状が出現することをいいます。早期ダンピング症候群は、食後30分以内に冷や汗、動悸、顔面紅潮、悪心、嘔吐、腹鳴、腹痛などが現れます。浸透圧の高い食物が食道から直接上部小腸へ入るために起こります。後期ダンピング症候群は、食後2~3時間後に、低血糖状態を起こすものです。炭水化物の急激な吸収により、分泌されたインスリンによるものです。よって誤となります。
よって正解は、4. となります。
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02
臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。
1:人工肛門造設後は電解質の溶出や脱水、乏尿をきたしやすいので、電解質や水分を充分に補給する必要があります。
2:肝細胞がん術後の分岐アミノ酸長期投与は、検査データの改善に有効という報告が多く見られるため、制限は行われません。
3:イレウスとは腸閉塞のことです。便秘が懸念されます。
4:文章の通りです。食事摂取量が減少し、胃酸が減って消化物がアルカリ化することからカルシウムの吸収障害が起こります。
5:ダンピング症候群が見られるのは胃がんの術後です。
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03
1:人工肛門造設後、特に水分制限は行われません。
2:肝臓がん術後は、肝臓本来の機能である分枝アミノ酸の放出がうまく行われていない可能性があるため、制限するよりもむしろ、積極的に摂ることの方が多く見受けられます。
3:術後のイレウス(腸閉塞)では、腸の蠕動運動がうまく行われず通過障害をきたすため、下痢ではなく便秘を呈します。
4:カルシウムは主に十二指腸と空腸上部で吸収されますが、吸収されるためにはカルシウムがイオン化されている必要があります。このイオン化を担っているのが胃酸であるため、胃切除後はカルシウム吸収障害が起こります。
5:ダンピング症候群とは、食べた物が急速に腸に堕落することにより起こる症状のことで、胃切除術後に呈します。
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