管理栄養士の過去問
第27回
応用力問題 問196

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 応用力問題 問196 (訂正依頼・報告はこちら)

9月に学校給食を食べた児童に発熱、下痢、嘔吐の症状が確認された。調査の結果、初発探知が報告された3日前の給食が原因の食中毒と断定された。有症児童数のピークは原因の給食を食べた日から4日目であった。原因となった給食の献立は、食パン、蒸し鶏のサラダ(鶏肉、卵、じゃがいも、マヨネーズ)、ワンタンスープ、牛乳であった。調理前の食品の保存食および有症児童の便からは、病因物質が同定された。しかし、調理済み食品の保存食からは、確認できなかった。調理工程の記録から、すべての加熱調理は75℃以上、1分間以上の加熱を確認できた。
今回の食中毒事故の再発を防止するために、衛生管理として徹底すべき事項である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 汚染作業区域から非汚染作業区域の作業に移る前の手洗い
  • 加熱調理に関して85℃以上、1分間以上の加熱
  • 調理従事者家族の検便検査
  • 給食当番児童の検便検査
  • ステンレス器具から木製器具への変更

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です。

1:この問題のポイントは、「調理前の食品の保存食から病因物質が同定され、調理済み食品の保存食からは確認されなかった。」という点です。
このことから、加熱処理は適切に行われており、この時点では病因物質はなくなっていたことがわかります。
そうすると残る原因は、調理前の食品に触れていた人が、手洗いが不十分なまま調理済の食品を盛り付け、病因物質がついた食品が児童に渡ってしまったことが考えられます。
よって、汚染作業区域から非汚染作業区域の作業に移る前の手洗いが、再発防止につながるといえます。

2:ノロウイルスが原因の場合は85℃以上という条件が求められますが、今回はカンピロバクターが原因と考えられるため、特にこのような対応は必要ありません。

3・4:原因とされるカンピロバクターは、家禽類の腸管にいる菌であり、調理従事者家族及び給食当番児童からの直接的な感染は考えにくいため、検便検査は特に必要ありません。

5:木製器具の使用は、食中毒の可能性をより高めることになるため、好ましくありません。

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02

正解は1.【汚染作業区域から非汚染作業区域の作業に移る前の手洗い】です。

以下、詳細の説明です。

1.〇
本件の場合、調理前の食品の保存食および有症児童の便からは、
病因物質が同定されたにも関わらず、調理済み食品の保存食からは確認できませんでした。
75℃以上、1分間以上の加熱を確認していることからも、
加熱調理は適切に行われていたと考えられます。
よって、汚染作業区域から非汚染作業区域の作業に移る前の手洗いが不足しており、
食品の一部に二次汚染が起きたと推測されます。

2.×
本件はノロウイルスが疑われる食中毒ではないため、
85℃以上、1分間以上の加熱は必須ではありません。
なお、平成25年10月4日付でノロウイルス対策には85~90℃、
90秒以上の加熱が必要となりました。

3.4.×
カンピロバクターは家畜、ペット類及び野鳥などに広く分布しているため、
調理従事者家族および給食当番児童から直接的に感染する可能性は低いです。

5.×
木製器具からステンレス器具へ変更するのが衛生的な対策です。

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03

正解:1

カンピロバクターの食中毒で考えられるのは汚染作業区域から非汚染作業区域に移る前の手洗いだと考えられます。

2.カンピロバクターの食中毒だということを考えると加熱調理は75℃以上、1分間以上の加熱で問題ありません。ノロウイルスの場合であれば85℃以上、1分間以上の加熱をしなければなりません。

3.カンピロバクターはニワトリなどの家禽類や牛・豚などの家畜の腸管内に保菌していると考えられるため、調理従事者家族や給食当番児童による感染は考えにくいです。

4.3の解説を参照

5.ステンレス器具から木製器具へ変更をすることで食中毒のリスクが高まってしまいます。

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