管理栄養士の過去問
第25回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問24

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

ヒト体内におけるエネルギー代謝に関する記述である。正しいのはどれか。
  • ミトコンドリアの電子伝達系において、酸素分子は電子受容体として働く。
  • 外界から取り入れた熱を、身体活動のためのエネルギーとして利用できる。
  • 摂取した水分子に由来する酸素分子は、呼気中の二酸化炭素分子には含まれない。
  • 解糖系の反応は、ミトコンドリア内で進む。
  • 脂肪酸は、嫌気的に代謝され、乳酸となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1.【ミトコンドリアの電子伝達系において、酸素分子は電子受容体として働く。】です。

以下、詳細の説明です。

1.○
電子伝達系において酸素分子は受容体として働きます。
クエン酸回路で生じたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)
やフラビンアデニンジヌクレオチド(FADH₂)は、
ミトコンドリア内膜で酸化還元を受けながら、
最終的に酸素と反応して大量の水とATPを産生します。

2.×
外界から取り入れた熱は、身体活動のためのエネルギーとして利用できません。
生体は食物の化学エネルギーを摂取して、
体内で熱エネルギーに変換して体温を維持し、
電気エネルギーとして神経の伝達を行うことで、
機械エネルギーとして筋肉運動に利用します。

3.×
摂取した水分子に由来する酸素原子は、呼気中の二酸化炭素分子にも含まれています。

4.×
解糖系の反応は細胞質内で行われます。
糖質からエネルギーを産生するときの起点となる反応で、
酸素を必要とせずにATPを産生します。

5.×
脂肪酸はミトコンドリアで酸化され、エネルギーを産生します。
脂肪酸のβ位の炭素(カルボキシル基から2つ目の炭素)が酸化され、
α位とβ位の炭素間の結合が切断されアセチルCoAが生成する反応で、
β酸化と呼ばれます。
嫌気的条件化で乳酸を生じるのは解糖系です。

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02

エネルギー(ATP)は解糖系→クエン酸回路→電子伝達系という経路により産生されます。


1.○ 電子伝達系において酸素は受容体として働き、ミトコンドリア内膜でATPを産生します。

2.× 身体活動のためのエネルギーは食物から産生されたATPより供給されており外界から取り入れた熱をエネルギーとして利用する事はできません。

3.× 摂取した水分子に由来する酸素分子は、呼気(吐き出す息)中の二酸化炭素分子にも含まれます。

4.× 解糖系はグルコースからピルビン酸と乳酸になる過程で細胞質基質で進行します。

5.× 脂肪酸はミトコンドリア内膜でβ酸化によりアセチルCoAとなります。
解糖系で生じたピルビン酸が嫌気的条件下で乳酸となります。

よって正解は1です。

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03

正解は 1 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/生体エネルギーと代謝からの出題です。

1.記載の通りです。電子伝達系で最後に電子を引き受けるのは酸素で、還元によって水を生じます。

2.エネルギーとして利用する熱は外界から取り入れるのではなく、化学的エネルギーです。

3.摂取した水分子に由来する酸素分子は、呼気中の二酸化炭素分子に含まれます。

4.解糖系の反応は細胞質で行われます。グルコースがピルビン酸に分解される糖代謝の過程です。

5.嫌気的に代謝され乳酸となるのはグルコースです。解糖系でピルビン酸に分解されたのち、さらに乳酸となります。

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