管理栄養士の過去問
第25回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問26

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。
  • ビタミンB1は、ピルビン酸脱水素酵素の補酵素である。
  • グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲン合成を促進する。
  • 乳酸脱水素酵素は、乳酸からオキサロ酢酸を生成する。
  • グルコースは、ペントースリン酸回路で代謝されATPを生じる。
  • インスリンは、肝臓へのグルコースの取り込みを抑制する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.○ ビタミンB1は化学名をチアミンといい、糖質の代謝に関与しています。
体内でTTP(チアミンピロリン酸)となり、ピルビン酸からアセチルCoAとCO2が生じる反応を触媒するピルビン酸脱水素酵素の補酵素として働きます。

2.× グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲン分解し、グルコース-1-リン酸を生成します。

3.× 乳酸脱水素酵素は、乳酸からピルビン酸を生成する反応を触媒する酵素です。

4.× グルコースは、解糖系、クエン酸回路、電子伝達系を経てATPを産生します。
ペントースリン酸回路は解糖系で生じたグルコース6リン酸がフルクトース6-リン酸とグルセル3-リン酸となります。ペントースリン酸回路の役割は核酸の材料であるリボースおよび脂肪酸の合成に必要なNADPHの供給です。

5.× インスリンは、肝臓へのグルコースの取り込みを促進します。糖の利用を促進し、結果血糖を低下させます。

よって正解は1です。

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02

正解は1.【外界から取り入れた熱を、身体活動のためのエネルギーとして利用できる。】です。

以下、詳細の説明です。

1.○
ピルビン酸脱水素酵素はピルビン酸を脱炭酸して
アセチルCoAを生成する反応を触媒する酵素で、
ビタミンB₁(チアミン)はその補酵素です。
ビタミンB₁は、ビタミンB₂(リボフラビン)、ナイアシン、パントテン酸などの
ビタミンB群とともに、クエン酸回路を触媒する酵素の補酵素として働きます。

2.×
グリコーゲンホスホリラーゼはグルコース分解を促進します。
グリコーゲンはグリコーゲンホスホリラーゼによりグルコース1-リン酸になり、
さらにホスホグルコムターゼによりグルコース6-リン酸になります。

3.×
乳酸脱水素酵素は、解糖系の最終段階でピルビン酸を乳酸に変換する酵素です。

4.×
ペントース酸回路は、グルコースから核酸や脂肪酸を産生する反応です。
脂肪酸やステロイドを合成するための
還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)と
核酸合成のためのリボース5-リン酸の生成が主な働きです。
グルコースからATPが産生されるのは解糖系・クエン酸回路(TCA回路)・電子伝達系です。

5.×
インスリンは肝臓では糖新生を抑制し、血糖値を低下させます。
筋肉・脂肪組織ではグルコースの細胞内への取り込みを促進します。

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03

正解は 1 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/アミノ酸・たんぱく質・糖質・脂質の代謝からの出題です。

1.記載の通りです。ビタミンB1は、生体内でリン酸2分子と結合して、グルコース代謝と分岐鎖アミノ酸代謝に必要な補酵素として作用します。

2.グリコーゲンホスホリラーゼはグリコーゲンの分解を促進します。

3.乳酸脱水素酵素は乳酸とピルビン酸間の反応を触媒する酵素です。

4.グルコースからATPを生じる経路は、解糖系、クエン酸回路での代謝後、電子伝達系を経ます。ペントースリン酸回路はATP産生に関与しません。

5.インスリンは肝臓からのグルコース放出を抑制します。

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