管理栄養士の過去問
第25回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問33
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問題
第25回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
侵襲時の生体反応関する記述である。誤っているのはどれか。
- 侵襲直後には、エネルギー消費は増加する。
- マクロファージは、炎症性サイトカインを放出する。
- 嫌気性解糖が進み、血中乳酸値が上昇する。
- 分枝(分岐鎖)アミノ酸が、エネルギー源として利用される。
- 好中球は、損傷した組織に遊走する。
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この過去問の解説 (3件)
01
侵襲とは生体内の恒常性を乱す刺激です。
投薬、注射、手術、外傷、骨折、感染症などです。
1.× 侵襲直後には、エネルギー消費は低下します。これは干潮期と呼ばれるものです。
2.○ 白血球の一種であるマクロファージは、炎症性サイトカインを放出して炎症反応を起こします。
3.○ 低酸素状態となり、嫌気性解糖が進み、血中乳酸値が上昇します。
4.○ 増大したエネルギー消費量を補うため、体たんぱく質の分岐鎖アミノ酸がエネルギー源として利用されます。
5.○ 好中球は白血球の中で一番多く存在します。細菌などの侵入の際に見られる急性炎症において損傷した組織に遊走します。
よって正解は1です。
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02
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/加齢・疾患に伴う変化からの出題です。
重症外傷や重症感染症、手術などによって高度の侵襲が加わった場合、生体はおおむね次のような反応を示します。
侵襲後の数時間から数十時間は、エネルギー消費量が一過性に低下します。この反応は侵襲直後で、その後はエネルギー代謝が亢進します。
1 の表記は「直後」となっているため、誤りであるとわかります。
その他の記載は正しい記載で、免疫機能が働き、炎症性サイトカインが放出されます。また好中球も貪食作用を起こします。
嫌気性解糖が進み、血中乳酸値は上昇しますが、乳酸が糖新生に利用できる場合には上昇は見られません。たんぱく質は修復に重要ですので、骨格筋たんぱく質の分解が促進します。
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03
侵襲とは、生体に対して何らかの刺激を与え、
その結果として生体に害が生じる可能性のある行為を指します。
手術のように外部から体を直接的に傷つける行為はもちろん、
薬剤投与、腫瘍や炎症、中毒や感染といった内部発生する生体変化まで、
幅広い刺激を含みます。
以下、詳細の説明です。
1.○(誤っている記述)
侵襲直後の時期を干潮期といいます。
干潮期には、物質を代謝して熱を放出する熱産生が低下し、
それとともにエネルギー消費量も低下します。
2.×(正しい記述)
炎症の病態形成に関与しているサイトカイン(情報伝達を行うたんぱく質の総称)
を炎症性サイトカインと呼びます。
白血球の一種であるマクロファージは、
炎症性サイトカインを放出して炎症反応を起こします。
3.×(正しい記述)
侵襲下では、損傷した組織は低酸素状態になりやすいです。
このため、酸素を必要としないエネルギー産生反応である嫌気性解糖が進み、
最終産物である乳酸が産生され、血中乳酸値が上昇します。
4.×(正しい記述)
干潮期を経て体液量が戻ると、満潮期に入ります。
これは、侵襲に体が対抗し始め、物質を代謝して熱を放出する熱産生が上昇し、
エネルギー消費量が増加する時期です。
エネルギー消費量を補うために、
体たんぱく質である分岐アミノ酸がエネルギー源として利用されます。
5.×(正しい記述)
好中球は、組織に侵入した細菌や細胞の残骸を好中球内に取り込み、
好中球内のタンパク質分解酵素や活性酸素によって分解、死滅させる白血球です。
侵襲により損傷した組織へ一番に遊走します。
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