管理栄養士の過去問
第25回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問43

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問43 (訂正依頼・報告はこちら)

神経系に関する記述である。正しいのはどれか。
  • 温痛覚の信号は、脊髄後角の神経細胞に受け渡される。
  • 脊髄前角細胞の障害により、深部知覚が障害される。
  • 偽(仮)性球麻痺では、嚥下障害をきたさない。
  • 頸髄が横断性に障害されると、片麻痺が生じる。
  • 錐体路の80%以上は、胸髄レベルで交叉する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.○ 温痛覚の伝達路は、外側脊髄視床路と呼ばれ、脊髄後角の神経細胞に受け渡されます。

2.× 脊髄前角細胞の障害は運動障害となって現れます。
深部知覚とは皮膚や粘膜の表面ではなく、深部の受容器により起こる感覚(位置感覚、運動感覚など)です。

3.× 偽(仮)性球麻痺では、嚥下中枢とつながる神経の障害により、嚥下障害が生じます。
嚥下中枢は脳幹の延髄の網様体にあります。偽(仮)性球麻痺は皮質延髄路の障害によるものです。

4.× 頸髄が横断性に障害されると、四肢麻痺となって現れます。

5.× 錐体路とは大脳皮質から脳幹や脊髄の決まった場所に筋運動を起こす指令を伝える下行性伝達路です。その大部分(80%以上)は、延髄の下端で交叉します。(錐体交叉)

よって正解は1です。

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02

正解は1.【温痛覚の信号は、脊髄後角の神経細胞に受け渡される。】です。

以下、詳細の説明です。

1.○
末梢で受容された痛覚・温度覚の刺激は髄後角の神経細胞へ伝えられ、
その後、視床、大脳皮質へと伝導されます。

2.×
脊髄前角細胞ではなく、脊髄後角細胞の障害により、
深部知覚が障害されます。
深部知覚とは、皮膚や粘膜の表面 ではなく、
それより深部に存在する受容器によって起こる感覚(位置感覚、運動感覚等)です。
なお、脊髄前角細胞の障害では、
脊髄前角細胞(下位運動ニューロン)が障害されることにより、
その支配を受けていた筋肉の萎縮がみられます。

3.×
偽(仮)性球麻痺では、嚥下障害をきたします。
仮性球麻痺とは、大脳皮質または核上性経路の両側性損傷による麻痺症状により、
球麻痺同様の障害を生じるものです。
球麻痺は、延髄にある運動神経の障害によって起こります。

4.×
頸髄が横断性に障害されると、片麻痺ではなく四肢麻痺が生じます。

5.×
胸髄レベルではなく、延髄下で交叉します。
錐体路とは、大脳皮質運動野から末梢へ向かう神経路のうち、
延髄にある錐体を通る経路のことです。

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03

正解は 1 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/神経系からの出題です。

1.記載の通りです。

2.脊髄前角細胞に障害が起こると、運動が障害されます。深部知覚が障害されるのは、脊髄後角細胞の障害によります。

3.球麻痺とは延髄の運動核の障害によって起こる麻痺のことです。これによって嚥下障害が起こります。延髄に問題がないのに大脳皮質などに損傷があることで同じような症状となる場合を偽(仮)性球麻痺といいます。

4.頸髄が横断性に障害されると四肢麻痺が生じます。片麻痺は身体の片側の上下肢に運動麻痺が見られることをいいます。

5.錐体路の80%以上は脳幹部レベルで交叉します。

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