管理栄養士の過去問
第25回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問44

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問44 (訂正依頼・報告はこちら)

肺気腫に関する記述である。誤っているのはどれか。
  • 拘束性換気障害に分類される。
  • 高頻度にマラスムス(marasmus)型栄養障害を認める。
  • 1秒率は、低下する。
  • 喫煙は、外因性危険因子である。
  • BMIは、予後因子となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1.【拘束性換気障害に分類される。】です。

肺気腫とは、酸素と炭酸ガスの交換を行う肺胞の組織が壊れ、
肺に溜まった空気を押し出せなくなる疾患です。

以下、詳細の説明です。

1.○(誤っている記述)
肺気腫は閉塞性喚起障害に分類されます。
閉塞性喚起障害とは、気道の閉塞障害のためにおこる肺の換気障害のことで、
肺気腫や気管支喘息などが当てはまります。
なお、拘束性換気障害とは肺の容積が縮小する異常で、
パーセント肺活量(予測肺活量に対する実際の肺活量の割合)が80%に低下した状態のことです。

2.×(正しい記述)
マラスムスとは、不十分な栄養摂取に起因するエネルギー・たんぱく質摂取不足の状態です。
重度になると高度な発育障害と著明な体重減少をもたらします。
肺気腫になると息切れによって食欲が落ちやすく、
また呼吸低下によってエネルギー消費が亢進するため、
これになりやすい傾向にあります。

3.×(正しい記述)
1秒率とは、1秒量の肺活量に対する比率(一秒量/肺活量)を指します。
肺気腫は呼吸が十分にできなくなる疾患のため、1秒率が低下します。

4.×(正しい記述)
喫煙は肺気腫の最も大きな危険因子です。
その他、化学物質や大気汚染、遺伝等が危険因子となります。

5.×(正しい記述)
予後因子とは、病気が術後どのような経過をたどるのかを予測し、
適切な治療方法を選択するための判断材料のことです。
肺気腫になると息切れによって食欲が落ちやすく、
必要なエネルギーを摂りにくくなって更に悪化する傾向があります。
そのため、BMI(体格指数)を参考にしながら十分な栄養管理をすることが必要です。

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02

正解は 1 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/呼吸器系からの出題です。

肺気腫は閉塞性喚起障害に分類されますので、1が誤りであるとわかります。
肺胞壁が破壊されることによって肺の弾性収縮力が低下することと、気管支がつぶれやすくなって息が十分に吐きだせないことで、肺が過膨張となります。
マラスムスはエネルギーの欠乏や摂取たんぱく質の不足で起こる栄養障害です。呼吸低下によってエネルギー消費が亢進されるため、栄養障害を起こします。

参考になった数1

03

1.× 拘束性換気障害は肺そのものの機能低下によるものです。肺気腫は肺胞が破壊される閉塞性肺疾患の一種です。

2.○ マラスムス(marasmus)型栄養障害はエネルギーとたんぱく質が不足の状態であり、肺気腫では高頻度で認められます。

3.○ 1秒率とは、努力して吐き出した息の量(努力肺活量)のうちの最初の1秒間に吐き出された量の割合です。肺気腫で低下します。

4.○ 喫煙は、外因性危険因子です。

5.○ BMI(体格指数)は、予後因子となります。

よって正解は1です。

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