管理栄養士の過去問
第25回
臨床栄養学 問139

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問139 (訂正依頼・報告はこちら)

慢性腎不全に関する記述である。正しいのはどれか。
  • 副甲状腺ホルモンの分泌は、低下する。
  • 血清リン値は、低下する。
  • 代謝性アルカローシスを起こす。
  • 血中1α,25‐ジヒドロキシビタミンD値は、上昇する。
  • 血清尿素窒素値は、上昇する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.副甲状腺ホルモンの分泌は上昇します。
腎臓でのビタミンDの活性化が低下し、腸管からのカルシウム吸収率が低下、さらに血中カルシウム濃度が低下します。血中カルシウム濃度を上昇させるため、副甲状腺ホルモンの分泌が上昇します。

2.血清リン値は上昇します。
腎機能の低下により、リンの排泄量が低下するため、血清リン値は上昇します。

3.腎機能の低下により、酸性物質の排泄量が低下するため、代謝性アシドーシスを起こします。

4.血中1α,25-ジヒドロキシビタミンD値は、低下します。
1α,25-ジヒドロキシビタミンDは腎臓と肝臓で作られるため、腎機能の低下により、合成量も低下します。

5.腎機能が低下しているため、尿中に排泄されることなくまた血液に戻ってしまうことから、血清尿素窒素値は上昇します。
よって、正しい答えです。

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02

◎腎不全
腎臓の機能が高度に低下した状態です。
急性腎不全は、腎機能の急激な低下が起こり、体液中の電解質や酸塩基平衡バランスが崩れ、体内の不要物の排出が困難になった状態です。
慢性腎不全は、各種の基礎疾患により腎機能が障害された状態が長時間継続し、体内代謝産物や不要物が蓄積し体内の恒常性が維持できなくなった状態です。

1. 慢性腎不全の人は、血中のカルシウムが低下し、リンが上昇することで副甲状腺を刺激し、副甲状腺ホルモンの分泌を促すので誤となります。

2. 腎臓でのリンの排泄ができなくなり、血清リン値は上昇するので誤となります。

3. 代謝性アルカローシスではなく代謝性アシドーシス(体液が酸性にかたむく)を起こすので誤となります。

4. 血中1α,25-ジヒドロキシビタミンD値は、慢性腎不全では低値を示すので誤となります。

5. 腎機能が低下すると、腎臓から排出されずに血液中にたまり、尿素窒素値は上昇するので正となります。

よって正解は、5. となります。

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03

1.
腎不全になると腎機能が低下し血中のリン値が上昇し、リン排泄作用のある副甲状腺ホルモン分泌が上昇します。

2.リンが上昇します。
腎機能が低下しリン排泄がされないからです。

3.代謝性アシドーシスになります。

腎不全になるとたんぱく質代謝で生じる酸を排泄する能力が低下すること、また尿細管で重炭酸イオン再吸収低下や水素イオン分泌が低下するからです。

4.1α,25‐ジヒドロキシビタミンD値は低下します。

活性型ビタミンDは最後に腎臓で生成されるが、腎不全で腎機能が低下しているため生成できないです。

5.血中尿素窒素値は上昇します。
腎機能の低下によりたんぱく質の代謝で生成する尿素窒素が排泄されないためです。

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