管理栄養士の過去問
第25回
臨床栄養学 問143

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問143 (訂正依頼・報告はこちら)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する病態である。正しいのはどれか。
  • 血中酸素分圧の上昇
  • 肺の過膨脹
  • 安静時エネルギー消費量の低下
  • 全身筋肉量の増加
  • 血中二酸化炭素分圧の低下

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この過去問の解説 (3件)

01

1.肺胞でのガス交換障害が原因で、酸素を取り込めなくなるので、血中酸素分圧は低下します。

2.肺に残った空気によって、肺の過膨張がみられます。
よって、正しい答えです。

3.呼吸運動が活発になるため、消費エネルギー量が増加します。

4.全身筋肉量は減少し、体重の減少が高い頻度でみられます。

5.肺胞でのガス交換障害が原因で、二酸化炭素の排泄量が減少するため、血中二酸化炭素分圧は上昇します。

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02

◎慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性気管支炎(気管支壁の慢性炎症により喀痰や咳を慢性的にあるいは反復的に呈する疾患)と肺気腫(終末細気管支や肺胞壁の断裂により、終末細気管支から肺胞の内腔が異常に拡張した形態学的状態を示す疾患)を合わせて慢性閉塞性肺疾患とよびます。

1. 動脈血酸素分圧(PaO2)は低下し、高炭酸ガス血症を呈するので誤となります。

2. 肺の過膨張は肺気腫でみられるので正となります。じゅうぶんに息が吐き出せず、肺が過膨張となって、酸素と二酸化炭素の入れ替えがうまくできなくなり、軽い運動でもすぐに息切れするような状態になります。

3. 発熱や呼吸困難などによって、消費エネルギー量は高くなるので誤となります。安静時エネルギー量は増加するので低栄養状態になりやすく、エネルギーやたんぱく質、ビタミンB1,Cなどの栄養管理が必要となります。

4. 十分な換気ができないことにより呼吸筋のエネルギー消費が増し、呼吸筋力が低下します。これにより安静時代謝の亢進や筋たんぱく質の崩壊が進み全身の筋肉量は低下します。よって誤となります。

5. 肺胞での酸素と二酸化炭素の交換がうまく行えないため、二酸化炭素の排泄量が減少し、血中二酸化炭素分圧は上昇します。よって誤となります。

よって正解は、2. となります。

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03

1.血中酸素分圧は低下します。


2.正解です。
閉塞性換気障害になると気道がふさがり息を吐くことができないため肺の過膨張が起こります。

3.息を吐くことができず、呼吸をするために筋肉に必要以上の負荷がかかるためエネルギー消費量が上昇します。

4.エネルギー消費量が増加に合わせてエネルギー摂取量が増加できない場合筋肉が分解し筋肉量が低下します。
 また、肺が膨張し胃を圧迫すると食べ物が胃に入れずエネルギーが不足しこれを補って筋肉が分解します。

5.呼気が吐けないため血中二酸化炭素量は増加します。

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