管理栄養士の過去問
第25回
臨床栄養学 問144

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問144 (訂正依頼・報告はこちら)

貧血についての記述である。正しいのはどれか。
  • 血中エリスロポエチン値の減少により、小球性低色素性貧血を起こす。
  • 体内の貯蔵鉄が減少していると、鉄の吸収率は低下する。
  • 非ヘム鉄は、ビタミンCの同時摂取により、吸収率が上昇する。
  • 血中ヘモグロビン値が低値の時は、貯蔵鉄は充足している。
  • 胃切除後の悪性貧血は、手術直後に起こる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 小球性低色素性貧血とは、各赤血球の大きさが小さくヘモグロビン量が少ない貧血で鉄欠乏性貧血でみられます。エリスロポエチンとは赤血球を作るはたらきを促進するホルモンで、エリスロポエチンが減少すると正球性正色素性貧血の腎性貧血が起こります。よって誤となります。

2. 体内の貯蔵鉄が減少すると、鉄の補給をしようと腸管の吸収能が上昇し、吸収率は上がりますので誤となります。

3. 非ヘム鉄とは、植物性食品、鶏卵、乳製品に含まれる鉄と動物性食品中のヘム鉄以外の鉄のことをいいます。私たちが摂取する鉄の85%程度は非ヘム鉄と言います。非ヘム鉄はヘム鉄に比べて吸収率が低く、同時に摂取する食事内容が強く影響し、2~20%の範囲で変動します。ビタミンCや獣鳥魚肉類は吸収を促進しますので正となります。

4. 血中ヘモグロビン値が低値のときは、貯蔵鉄も減少しているので誤となります。体内から鉄が減少する場合は貯蔵鉄から減少しはじめ、血清鉄が減少し、ヘモグロビンが減少し、臨床症状があらわれます。

5. 胃切除後の悪性貧血は、ビタミンB12の欠乏が原因で起こります。体内のビタミンB12が減った術後の時間が経過してから起こるので誤となります。

よって正解は、3. となります。

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02

1.血中エリスロポエチンの減少が原因の貧血は、正球性正色素性貧血です。

2.体内の貯蔵鉄が減少していると、鉄の吸収率は上昇します。

3.ヘム鉄より体内に吸収されにくい非ヘム鉄はビタミンCを同時に摂取することにより、還元されてヘム鉄となるため、吸収率は上昇します。
よって、正しい答えです。

4.血中ヘモグロビン値が低値の時は、貯蔵鉄は不足しています。
体内では貯蔵鉄であるフェリチンから減少し始めます。そして、次に血清鉄が減少し始め、それを放置すると機能鉄であるヘモグロビンが減少します。

5.胃切除後の悪性貧血は、数年後に起こります。
ビタミンB12は肝臓に一定量貯蔵されているため、胃切除直後に悪性貧血になることはありません。

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03

正解は3です。

1.腎機能が低下すると、腎臓でつくられるたんぱく質のエリスロポエチンの低下が原因で正球性正色素性の腎性貧血になります。
小球性低色素性の貧血は鉄欠乏性貧血です。

2.貯蔵鉄が低下すると、鉄を吸収して補おうとするため鉄吸収能は亢進します。

3.非ヘム鉄はビタミンCによって吸収が促進します。

4.酸素を運ぶヘモグロビン、鉄を運搬するトランスフェリンは機能鉄です。貯蔵鉄を反映するのはフェリチンです。

5.胃切除後の悪性貧血は数年後に起きます。
ビタミンB12は肝臓に貯蔵されているためすぐに貧血にはなりません。

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