管理栄養士の過去問
第25回
臨床栄養学 問149

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問題

第25回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問149 (訂正依頼・報告はこちら)

 2型糖尿病と比べた1型糖尿病の病態・治療の特徴である。正しいのはどれか。
  • 尿中Cペプチド値が上昇
  • 経口血糖降下薬の使用
  • 肥満症が多い
  • 抗ランゲルハンス島抗体が陽性
  • 遺伝因子が濃厚

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この過去問の解説 (3件)

01

1.尿中Cペプチド値は低下します。
インスリンの前駆体、プロインスリンが分解されるとインスリンとCペプチドとなります。
つまり、Cペプチドはインスリンの合成量を反映します。
1型糖尿病では、インスリン合成能が低下するためCペプチドの合成量も低下するということです。

2.経口血糖降下薬の使用は2型糖尿病の治療で行われます。

3.肥満症も2型糖尿病患者に多くみられる特徴の1つです。

4.1型糖尿病では、抗ランゲルハンス島抗体によって、ランゲルハンス島B細胞が破壊され、インスリンが作られなくなります。
よって、正しい答えとなります。

5.遺伝因子が関係するのも2型糖尿病患者に多くみられる特徴の1つです。

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02

1型糖尿病は通常自己を守るはずの抗体に異常があることにより自分の体を攻撃してしまい、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が破壊されてインスリンを分泌できなくなり発症します。
このためGAD、IAA、ICA、などの抗体が高くなります。
選択肢1のCペプチドは、インスリンの前駆体でインスリン分泌の低下に比例して低下します。


2型糖尿病は、遺伝によるインスリン分泌障害や肥満や運動不足などからインスリン抵抗性を起こすことで発症します。

選択肢2の経口血糖低下薬は、インスリン分泌を促進する作用がありインスリンが分泌されない1型糖尿病には効果がないので使用しません。

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03

◎糖尿病
インスリンの作用や分泌の絶対的あるいは相対的欠乏による高血糖と炭水化物・脂質・たんぱく質代謝障害に特徴づけられる疾患を言います。

1型糖尿病は、インスリン分泌する膵β細胞の破壊の結果、絶対的なインスリンの欠乏がおこります。
2型糖尿病は遺伝因子と環境因子により発症すると考えられ、インスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体で、それにインスリンの相対的不足をともなうものがあります。

1. 尿中Cペプチドとは、インスリンと同じ程度の割合で血液中に分泌され分解されないまま尿ととともに排泄されるため、インスリンがどのくらい膵臓から分泌されているかがわかります。肥満やクッシング症候群、インスリンノーマなどで高値を示し、1型や2型の糖尿病では低値を示すので誤となります。

2. 1型糖尿病のようにインスリンの絶対的適応がある場合は、血糖降下薬による治療は行ってはならないとされているので誤となります。

3. 1型糖尿病は痩せ形に多いので誤となります。

4. 1型糖尿病では、多くの症例で発病初期に膵島抗原に対する自己抗体(抗インスリン自己抗体)が証明され自己免疫機序が関連していると考えられていますので陽性になります。よって正となります。

5. 遺伝因子が関与しているのは2型糖尿病であり、誤となります。

よって正解は、4. となります。

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