管理栄養士の過去問
第24回
臨床栄養学 問145

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問題

第24回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問145 (訂正依頼・報告はこちら)

貧血についての記述である。正しいのはどれか。
  • 鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン濃度が低下する。
  • 再生不良性貧血では、白血球数が増加する。
  • 溶血性貧血では、血清直接ビリルビン濃度が増加する。
  • 鉄欠乏性貧血では、総鉄結合能が低下する。
  • 巨赤芽球性貧血では、平均赤血球容積(MCV)が減少する。

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この過去問の解説 (4件)

01

1.フェリチンは鉄を貯蔵する機能を持つたんぱく質。鉄欠乏性貧血では、鉄が不足するので貯蔵する血清フェリチン濃度も低下する。よって正。

2.再生不良性貧血は造血幹細胞の異常による骨髄の低形成によって起こる。赤血球だけでなく、白血球、血小板も減少するため、貧血に加え易感染性や出血傾向もみられる。よって誤。

3.溶血性貧血は赤血球の破壊が亢進して起こる貧血。赤血球の破壊により間接ビリルビンが増加し、黄疸、脾腫がみられる。よって誤。

4.総鉄結合能とはトランスフェリンが鉄と結合する能力。鉄欠乏性貧血では上昇するので誤。

5.巨赤芽球性貧血は赤血球系の造血細胞のDNA合成障害により起こる。ビタミンB12や葉酸の欠乏などを原因とする。巨赤芽球が増加するため平均赤血球容積(MCV)は増加する。よって誤。

よって正解は、1.となる。

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02

1.フェリチンは鉄を貯蔵するたんぱく質です。貯蔵している鉄が不足すると、血清フェリチン濃度も低下します。

2.再生不良性貧血では骨随の造血機能が低下します。この貧血では赤血球だけではなく、白血球や血小板も低下します。

3.溶血性貧血では血清直接ビリルビン濃度が増加します。

4.鉄欠乏性貧血では総鉄結合能が上昇します。

5.巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の不足によよるもので、細胞分裂が傷害される。そのため大きな赤血球ができ、平均赤血球容積(MCV)は増加する。

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03

正解は 1 です。

臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。

1.正しい記載です。血清フェリチンは鉄の貯蔵状態の指標とされます。

2.再生不良性貧血では白血球数が減少します。

3.溶血性貧血では肝臓の処理能力を超えて間接ビリルビンが生成されるので、血清ビリルビン濃度が増加します。

4.鉄欠乏性貧血では総鉄結合能は増加します。

5.巨赤芽球性貧血では大きな赤血球が出現し、MCVは増加します。

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04

正解は 1 です。

1…鉄欠乏性貧血は、赤血球中のヘモグロビン合成に必要な鉄が不足することで、赤血球の生産が低下して生じる貧血です。肝臓などに存在する貯蔵鉄から減少し始めるため、貯蔵鉄の一種であるフェリチンの血清濃度も減少します。

2…再生不良性貧血は、骨髄に存在する造血幹細胞が障害された結果起こる貧血です。造血幹細胞は、血液を産生する中心となるため、赤血球や白血球、血小板のすべてが減少します。

3…溶血性貧血は、何らかの原因により赤血球が寿命(約120日)の前に破壊され、体内の赤血球が壊れすぎて起こる貧血です。溶血により間接ビリルビン産生が増加するものの、肝臓の処理能力を超えてしまい、直接ビリルビンへの代謝が追い付かなくなってしまいます。

4…総鉄結合能は、血清鉄と、鉄と結合していないトランスフェリンの総量を表します。鉄欠乏性貧血では、血清鉄は低下しますが、トランスフェリン自体は増加するため、総鉄結合能は上昇します。

5…巨赤芽球性貧血は、葉酸やビタミンB12が欠乏することが原因で起こる貧血です。DNAの複製を行いながら分裂をする働きをもつ赤芽球は、分化するにつれてサイズが小さくなります。しかしDNAやRNA核酸合成に必要な葉酸やビタミンB12が不足すると、骨髄が障害され、血球系の産生が低下します。また、赤芽球自体は細胞核が十分に成熟せず、細胞質は大きくなるため、大きな赤芽球ができます。すなわち、数は少ないもののヘモグロビン含有量の高い大型の赤血球ができます。そのため、平均赤血球容積は、上昇します。

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