管理栄養士の過去問
第24回
応用力問題 問191

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問題

第24回 管理栄養士国家試験 応用力問題 問191 (訂正依頼・報告はこちら)

A町では住民が脳卒中に罹患し、その後遺症により介護保険の利用者が多くなり財政負担が増大している。そこで脳卒中を減らすため、その危険因子の1つである高血圧症を減らす対策を検討することとなった。対象者全体の血圧を10mmHg低下させることにより、介護給付費を5億円減らせるとの予測が立てられた。

この対策を予測するための分析手法である。正しいのはどれか。
  • 費用効用分析
  • 費用効果分析
  • 感受性分析
  • リスク分析
  • 費用便益分析

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5
経済評価に用いる分析手法の中で、金額を明確化する分析手法が正解です。

1:× 費用効用分析とは、栄養教育計画の評価のうち、経済評価を行う分析手法の一つです。費用効用分析では、一定の効用を得るための費用を算出しますが、生活の質を考慮した生存率(QALY)を用いる点で、効用の測定が困難であるという特徴があります。

2:× 費用効果分析とは、異なるプログラムを比較・分析する手法です。

3:× 経済評価の分析手法ではありません。

4:× 経済評価の分析手法ではありません。

5:◯ 費用便益分析とは、健康教育のためにかかった費用と、その結果得られた便益(利益)を金額で評価し分析する手法です。

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02

3つの分析の違いを把握しておきましょう。

・費用便益分析…プログラム実施による効果を金額に換算して、プログラムにかかった費用との比較で分析すること。
(ex.血圧の改善によって介護給付費がいくら減少したか・そのための対策実施にいくらかかったかの比較)

・費用効果分析…一定の効果を1単位と決めて、そのためにかかる費用を計算して分析すること。
(ex.血圧10mmHg低下させるのにいくらかかるか)

・費用効用分析…費用効果分析に主観的な効果も入れたもので、QALY(質調整生存年)がこれに当たります。
(ex.血圧10mmHg低下させるのにいくらかかり、対象者の主観的な面はどうか)



1・2:費用効用分析・費用効果分析は効果を得るためにいくらかかるかという視点なのでこの問題にはあてはまりません。

3・4:ここでは感受性の分析やリスクの分析は関係ないので誤りです。

正解◎5:効果をお金に換算するのは費用便益分析なので、正しいです。

参考になった数3

03

1 誤
費用効用分析とは生存年数とQOLの両方を考慮している分析方法です。

2 誤
費用効果分析とは生存年数の延長と検査値などの数値を用いる分析方法です。

3 誤
感受性分析は今回の経済評価には用いられません。

4 誤
リスク分析は今回の経済評価には用いられません。

5 ○
費用便益分析とはすべての効果を金銭で換算する方法です。

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