管理栄養士の過去問
第24回
応用力問題 問193

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問題

第24回 管理栄養士国家試験 応用力問題 問193 (訂正依頼・報告はこちら)

慢性腎臓病(CKD)、ステージ4、糖尿病を認めない60歳の男性、身長165cm、体重60kg、血圧136/92mmHg、尿量800mL/日、尿たんぱく量2.0g/日、血清アルブミン値3.2g/dL、総たんぱく値6.3g/dL、尿素窒素値64mg/dLクレアチニン値3.0mg/dL、カリウム値5.8mEq/Lであった。

この患者の病態についての記述である。正しいのはどれか。
  • 高血圧は、認められない。
  • 二次性副甲状腺機能低下症が、認められる。
  • 乏尿が、認められる。
  • 糸球体濾過量(GFR)は、70mL/分/1.73 m2以上である。
  • ネフローゼ症候群は、認められない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 誤
血圧は140/90mmHg以上が高血圧となります。この男性は136/92mmHgなので高血圧は認められます。

2 誤
腎臓に障害がある場合に考えられるのは副甲状腺機能低下症ではなく、副甲状腺機能亢進症です。
腎臓に障害があると腎臓でのリンの排泄がうまくできなくなったり、ビタミンD3の活性化ができなったりするため、血液中のカルシウムが低下します。それに対し、副甲状腺ホルモンが刺激を受けて過剰に分泌され、結果、血液中のカルシウム濃度が高い状態になります。この状態を二次性副甲状腺機能亢進症といいます。
この問では血中のカルシウムやリンの測定値がありませんので、副甲状腺機能亢進症と判断することはできません。

3 誤
1日尿量が400ml以下になると乏尿といわれます。

4 誤
GFRとは糸球体が1分間にどのくらいの血液をろ過しているかを示す値です。
GFRの計算式は血清クレアチニン値と年齢により算出できます。
男性の場合194×(クレアチニン値の-1.094乗)×(年齢の-0.287乗)で示され、これに当てはめると18mL/分/1.73 m2となります。

5 ○
ネフローゼ症候群は必須条件として①尿たんぱく3.5g/日以上、②血清総蛋白6.0g/日以下(血清アルブミン3.0g/dl以下)を満たし、参考条件として、③コレステロール250mg/dl以上の脂質異常症、④浮腫が見られる、と規定されています。
したがってこの条件に当てはまらないため、この男性はネフローゼ症候群は認められません。

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02

1:血圧は、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上で高血圧とされています。そのため拡張期が92mmHg は高血圧と認められます。

2:副甲状腺機能低下症は副甲状腺ホルモンの分泌低下により低カルシウム血症や高リン血症になる疾患です。
この問題ではカルシウムやリンの検査値がでていないところからも、この文章から副甲状腺機能低下症が認められるとは言えないことがわかります。

3:乏尿とは尿量400ml/日以下のことを言い、800ml/日とあるので当てはまりません。

4:CKDのステージはGFRの値で段階分けされています。
この男性はステージ4なのでGFRは15~29の範囲であると考えられます。
70以上あればステージ2かそれより軽度になるので誤りです。

正解◎5:ネフローゼ症候群の診断基準は
・たんぱく尿 3.5g/日以上持続
・血清総たんぱく 6.0g/dl以下、血清アルブミン 3.0g/dl以下
が必須であり、この男性の場合は尿たんぱくも基準値以内で低アルブミン血症もないため、ネフローゼ症候群は認められません。

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03

正解は5

1:× 140</90<mmHgが基準であり、どちらか一方でも超えていると高血圧となるため、高血圧が認められます。

2:× 副甲状腺機能低下症の指標となる血清カルシウム濃度が不明であるため、認められるとは言えません。

3:× 乏尿は1日の尿量が 400 mL 以下のことです。

4:× 慢性腎臓病(CKD)のステージ4におけるGFR値は15〜29 mL /分/1.73 m2であるので、誤りです。

5:◯ 尿蛋白量が3.5 g /日以上で低タンパク血症や浮腫などを伴う状態をネフローゼ症候群と呼びます。今回はこの条件に当てはまらないため、ネフローゼ症候群は認められません。

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