管理栄養士の過去問
第29回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問39

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問題

第29回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

うっ血性心不全に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 右心不全では、肺水腫が起こる。
  • 血漿BNP ( 脳性ナトリウム利尿ペプチド ) 濃度は、上昇する。
  • 交感神経系は、抑制される。
  • 血中アルドステロン濃度は、低下する。
  • 悪液質を伴う患者の予後は、不良である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 2と5 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/循環器系からの出題です。

1.肺水腫は左心不全で起こります。左心不全によって肺静脈がうっ血して起こります。

2.正しい記載です。BNPは心臓から分泌されますが、心房や心室に負荷がかかると血中濃度が上昇するので、心不全の指標となります。

3.心拍数の減少によって交感神経は亢進されます。

4.交感神経の亢進によって血中アルドステロン濃度は上昇します。

5.正しい記載です。悪液質とは慢性消耗疾患で栄養不良により衰弱した状態のことです。

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02

正解は 2と5 です。

【うっ血性心不全】
静脈系からの血液流出に障害が起き、肺うっ血や肺水腫などが起こると、心臓へ血液が供給されなくなり、心不全となります。

1:肺水腫は、左心不全で起こります。

2:正答。心不全の指標として用います。

3:心臓の機能低下により、交感神経は興奮します。

4:心臓の機能低下により、血圧低下がみられるので、血中アルドステロン濃度は、上昇します。

5:正答。悪液質は、全身が衰弱した状態のことを指します。カヘキシーとも呼ばれ、予後は不良です。

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03

◎うっ血性心不全
心臓のポンプ機能が低下し、全身の臓器に十分な血液を送れなくなると、臓器に障害が起きます。息切れ、浮腫など組織・間質や肺に血液がうっ血することによる症状が出現する疾患をいいます。

1. 右心不全では、静脈系のうっ血症状(経静脈怒張、浮腫、肝脾腫大、胸水、腹水、嘔気など)がみられます。肺水腫が起こります。左心不全では、肺うっ血による症状(呼吸困難、起坐呼吸、咳、心臓喘息、チアノーゼなど)がみられます。よって肺水腫は左心不全でみられるため、誤となります。

2. 血漿BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は、心室から血液中に分泌されるホルモンで、強力な水・ナトリウム利尿作用、血管拡張作用を有しており、心不全の指標として利用されています。血漿BNP濃度は、上昇するので正となります。

3. 心臓のポンプ機能不全により心拍出量が低下すると、交感神経系は促進し、心拍出量や血圧の維持を図ろうとするので誤となります。

4. 血圧を上げようとして血中アルドステロン濃度は上昇するので誤となります。

5. 悪液質とは、基礎疾患のために、食欲不振、食物の消化吸収不良、蓄えられた体力の激しい消耗などで著しい栄養不良になり、やせて衰弱した状態です。患者の予後は、不良であるので正となります。

よって正解は、2.と 5. となります。

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