管理栄養士の過去問
第30回
公衆栄養学 問150

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問題

第30回 管理栄養士国家試験 公衆栄養学 問150 (訂正依頼・報告はこちら)

栄養疫学研究の内容と研究デザインの組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 習慣的な飽和脂肪酸摂取量と脳梗塞発症の関連 ―――――――――― コホート研究
  • 集団の尿中ナトリウム排泄量の平均値と収縮期血圧の平均値の関連 ― 症例対照研究
  • 食塩摂取量の推移と脳血管疾患死亡率の推移の関連 ―――――――― 横断研究
  • 脳血管疾患群と対照群の果物摂取頻度の比較 ――――――――――― 介入研究
  • 都道府県別野菜摂取量と脳血管疾患死亡率の関連 ――――――――― メタアナリシス研究

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この過去問の解説 (4件)

01

◎コホート研究…現在ある疾患にかかっていない人たちに対して、あらかじめ仮説にたてられた因子に曝露した人の集団と曝露していない人の手段を設定して、一定期間両集団を追跡し、疾病の発生状況を比較する研究方法です。

◎症例対象研究…対象とする疾病に罹患した人と性、年齢などの要因をできるだけマッチさせた罹患していない人の両集団について発症に関連しそうな要因の曝露状況を比較し、その関連を研究する方法です。

◎横断研究…ある集団のある一時点での疾病の有無と要因の保有状況を同時に調査し、関連を明らかにする方法です。

◎介入研究…ある栄養素をある集団に食べてもらって健康状態の変化を観察するといったように、調査をしている側が対象者に何らかの介入を行い、その効果を観察する方法です。

◎メタアナリシス研究…複数の研究結果や研究データを計算してまとめる手法のことをいいます。

1. 習慣的な飽和脂肪酸摂取量と脳梗塞発症の関連は、コホート研究に該当するので正となります。

2. 集団の尿中ナトリウム排泄量の平均値と収縮期血圧の平均値の関連は、横断研究に該当するので誤となります。

3. 食塩摂取量の推移と脳血管疾患死亡率の推移の関連は、コホート研究に該当するので誤となります。

4. 脳血管疾患群と対照群の果物摂取頻度の比較は、症例対照研究に該当するので誤となります。

5. 都道府県別野菜摂取量と脳血管疾患死亡率の関連は、生態学研究に該当するので誤となります。

よって正解は、1. となります。

参考になった数7

02

正解は、1です。

1:○
コホート研究は、曝露群と非曝露群を一定期間追跡して対象の疾病の発症率を比較することにより、関連を調べます。

2:横断研究です。

3:記述疫学です。

4:症例対照研究です。

5:生態学研究です。
いくつかの集団ごとに調査、比較する研究を生態学研究と言います。

参考になった数3

03

1:○

2:×
横断研究が当てはまります。
集団で一斉に調査を行うものです。

3:×
コホート研究が当てはまります。
食塩摂取推移(要因)と脳血管死亡率(疾病)の発症頻度とを比較します。

4:×
症例対照研究が当てはまります。
疾病(脳血管疾患)の有無で分けて、過去の曝露要因(果物摂取頻度)との関連を比較します。

5:×
生態学的研究が当てはまります。
集団(都道府県)での調査(一斉ではありません)です。

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04

1:○
疾病の発症率は前向きに追跡することで把握することができます。
よってコホート研究になります。

2:×
尿中ナトリウム排泄量の平均値と収縮期血圧の平均値の関連は、一時点の曝露要因と疾病の調査になるため、横断研究になります。
症例対照研究は、罹患群と非罹患群に分け、これらが特定の要因に暴露されていたかを調査する、過去に遡る研究です。

3:×
食塩摂取量の推移と脳血管疾患死亡率の推移の関連は、コホート研究です。
横断研究は、一時点の曝露要因と疾病の関連を調査するため適切ではありません。

4:×
脳血管疾患群と対照群の果物摂取頻度の比較は、症例対照研究です。
既に脳血管疾患を発症している者としていない者が、過去にどのような頻度で果物を摂取してきたかを比較します。

5:×
都道府県別野菜摂取量と脳血管疾患死亡率の関連は、生態学的研究です。
メタアナリシス研究とは、複数の研究結果を統合して評価する研究のことです。

参考になった数0