管理栄養士の過去問
第30回
公衆栄養学 問152

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問題

第30回 管理栄養士国家試験 公衆栄養学 問152 (訂正依頼・報告はこちら)

地域集団を対象として、習慣的な食事摂取量の調査を行った。「 日本人の食事摂取基準( 2015年版 )」を用いた評価として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • エネルギーについて、推定エネルギー必要量に対する摂取エネルギー量の比率を算出した。
  • たんぱく質について、推定平均必要量( EAR )未満の者の割合を算出した。
  • 脂質について、目標量( DG )の範囲を逸脱する者の割合を算出した。
  • ナトリウムについて、目標量( DG )を超える者の割合を算出した。
  • ビタミンAについて、耐容上限量( UL )を超える者の割合を算出した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:×
エネルギーの評価は、体重の増減やBMIから判断します。
BMIが正常範囲内である者の割合を増やすよう働きかけます。

2:○
推定平均必要量を満たしていない者の割合が少なくなるよう働きかけます。

3:○
目標量は生活習慣病予防を目的とした摂取量です。
目標量の範囲内である者の割合を増やすよう働きかけます。

4:○
ナトリウム摂取量は特に日本人においては過剰摂取の傾向があります。
目標量に近付く者の割合を増やすよう働きかけます。

5:○
耐容上限量以上を摂取した場合、健康障害が生じるリスクがあります。
そのため集団内における割合ではなく、集団全員の摂取量が耐容上限量未満になるよう働きかける必要があります。

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02

1:×
摂取エネルギー量と消費エネルギー量の比率を算出します。
推定エネルギー必要量とは、不足リスク過剰リスクの確率が最も低い値です。摂取エネルギーが多いと体重増加の可能性が高く、消費エネルギーが多いと体重減少の可能性が高くなります。

2:○

3:○
目標量の範囲内に収まる事を目指して設定された値です。

4:○
目標量を摂取量に近付けるために設定された値です。

5:○
脂溶性ビタミンの1つであるビタミンAは体内に残るため、過剰摂取を予防するために設定された値です。


●エネルギー・栄養素の設定指標

・推定エネルギー必要量:エネルギーの不足リスクと過剰リスクが最も低い摂取量(エネルギー出納がゼロになる確率が最も低い摂取量)です。

・推定平均必要量:集団に属する50%の人が必要量を満たす1日の摂取量。健康の維持・増進、欠乏予防の値です。

・推奨量:集団の97~98%の人が1日の必要量を満たすとされる摂取量。推定平均必要量と同様、健康の維持・増進、欠乏予防の値です。

・目安量:集団の人々が一定の栄養状態を維持するのに十分な摂取量。推定平均必要量、推奨量を設定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に設定します。

・耐容上限量:集団の人々のほとんど全てが健康障害をもたらす危険がないとみなされた、習慣的な摂取量の上限です。

・目標量:生活習慣病の1次予防のため、現在の日本人が目標とする摂取量です。

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03

正解は(1)です。

1.✖
エネルギーの摂取と消費の収支バランスの維持を示す指標として、食事摂取基準2015では、従来のカロリーではなく、体重の変化やBMIを把握することで評価しています。

2.〇
たんぱく質は人体に必須の栄養素であり、摂取不足による低栄養を回避するために、推定平均必要量の指標が示されています。

3.〇
脂質の過剰摂取は、肥満を招き、動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高めます。
当面の目標とすべき摂取量として、目標量( DG )を設定しています。

4.〇
ナトリウムの過剰摂取は高血圧などの生活習慣病のリスクを高めます。
当面の目標とすべき摂取量として、目標量( DG )を設定しています。


5.〇
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、水に溶けないため、過剰に摂取すると肝臓などに蓄積され様々な副作用を引き起こす危険があります。
過剰摂取による健康被害を回避するために、耐容上限量( UL )を設定しています。

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