管理栄養士の過去問
第30回
応用力問題 問179

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問題

第30回 管理栄養士国家試験 応用力問題 問179 (訂正依頼・報告はこちら)

K病院に勤務する管理栄養士である。NSTラウンドで、肝硬変による腹水と脳症の治療のために1週間前に入院した患者のベッドサイドにいる。
患者は、70歳、男性。7年前にC型肝炎と診断され、治療していたが、昨年より肝硬変の状態であると告げられた。これまでに何度も入退院を繰り返している。

身長165cm、体重62kg、標準体重60kg、血圧142/92mmHg。空腹時血液検査値は、総たんぱく質5.9g/dL、アルブミン 2.6g/dL、血糖125mg/dL、AST 61 IU/L、ALT 45 IU/L、γGT 68 IU/L、総ビリルビン3.1mg/dL、アンモニア237μg/dL( 基準値40~80 )。

この患者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • エネルギーの摂取量は、1,600kcal/日にする。
  • たんぱく質の摂取量は、95g/日にする。
  • 脂肪エネルギー比率は、20%Eにする。
  • ナトリウムの摂取量は、食塩相当量で6g/日未満にする。
  • 分枝アミノ酸を多く含む経腸栄養剤を用いる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:○
1500kcal~2100kcalの範囲内に収まるため、正しいです。
エネルギー摂取量=25~35kcal/標準体重kg/日

2:×
たんぱく質摂取量は30~42gとなります(低たんぱく食)。
たんぱく質摂取量=0.5~0.7g/kg標準体重/日(低たんぱく食の場合)

腹水や脳症など、症状が出ているため、低たんぱく食とします。

3:○

4:○
腹水が見られるため、塩分制限を行う必要があります。

5:○
アンモニアが上昇し、フィッシャー比の低下が起こるため、分岐アミノ酸を豊富に含む経腸栄養剤を投与します。アルブミン値3.5g/dl未満の場合に実施します。

フィッシャー比=分岐アミノ酸÷芳香族アミノ酸

参考になった数4

02

・身長165cm、体重62kgよりBMI22.7
・血圧142/92mmHg(140/90 mmHg以上で高血圧)
・総たんぱく質5.9g/dL(基準値:6.3~7.8 g/dL)
・アルブミン2.6 g/dL(基準値:3.7~4.9 g/dL)
・血糖値125 mg/dL(基準値:空腹時70~110 mg/dL)
・AST61IU/L(基準値:11~40 IU/L)
・ALT45 IU/L(基準値:6~43 IU/L)
・γGT68 IU/L(基準値:男10~50 IU/L、女9~32 IU/L)
・総ビリルビン3.1mg/dL(基準値:0.2~1.0 mg/dL)

1:○
エネルギー摂取量は、25~30kcal/kg標準体重/日より、1500~1800kcal/日とします。

2:×
たんぱく質摂取量は、0.5~0.7g/kg標準体重/日より、30~42g/日とします。
肝硬変ではたんぱく質を制限するため、95g/日では多すぎます。
高アンモニア血症により肝性脳症が発症します。

3:○
脂肪エネルギー比率は、20%E程度とします。

4:○
ナトリウムの摂取量は、食塩相当量で6g/日未満にします。
浮腫や腹水の改善が見られない場合、利尿薬を使用します。

5:○
肝硬変ではフィッシャー比が低下するため、分枝アミノ酸を多く含む経腸栄養剤を用います。

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03

正解は(2)です。

1.〇
エネルギー摂取量=25~30kcal/kg標準体重
となり、1500㎉~1800㎉となり、適正範囲内です。

2.✖
たんぱく質摂取量=0.5~0.7g/kg標準体重
となり、30~42g/日になります。
95gは適正量を超えています。

3.〇

4.〇
腹水がみられる場合、食塩の摂取量は3~6g/日とします。

5.〇
フィッシャー比の低下を防ぐため、分岐鎖アミノ酸を補給する必要があります。

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