管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問21

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

酵素に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 律速酵素は、代謝経路で最も速い反応に関与する。
  • Km値は、反応速度が最大反応速度の1/4に達するのに必要な基質濃度である。
  • 反応速度は、至適pHで最小となる。
  • ペプチダーゼは、二つの基質を結合させる酵素である。
  • アロステリック酵素の反応曲線は、S字状(シグモイド)である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 律速酵素は、代謝経路で最も遅い反応に関与します。律速酵素は、代謝経路全体の反応速度に影響を与えます。

2. Km値とは、反応速度が最大反応速度の1/2に達するのに必要な基質濃度です。Km値は基質に対する酵素の親和性を表しており、Km値が小さいほど酵素と基質の親和性が高く、反応が早く進みます。

3. 反応速度は至適pHで最大となります。

4. ペプチダーゼは、ペプチドを加水分解する酵素であり、二つの基質を分解する酵素です。

5. 正解です。アロステリック酵素は、活性部位の近辺にエフェクターと呼ばれる効果物質が結合する部位が存在します。この部位にエフェクターが結合すると酵素能力が大きく変化します。基質とエフェクターが相互的に働きあうため、反応速度のグラフはミカエリスーメンテン型ではなくシグモイド(S字状)となります。

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02

正解は5です。

1.×
律速酵素とは、複数の化学反応が連続して起こる、ある一連の化学反応系において、その全体の反応速度を決定する要因になる最も進行の遅い反応(律速段階)を触媒する酵素のことです。

2.×
Km値は、反応速度が最大反応速度の1/2に達するのに必要な基質濃度です。
Km(ミカエリス定数)は、酵素と基質の親和性を示すもので、この値が小さいと酵素と基質は結合しやすく、逆に大きいと酵素と基質は結合しにくくなります。

3.×
反応速度は、至適pHで最大となります。
至適pHとは、酵素活性が最大になる(酵素が一番よく働く)pHのことです。

4.×
ペプチダーゼは、ペプチド結合の加水分解を行う酵素のことで、たんぱく質のアミノ酸をアミノ末端あるいはカカルボキシ末端側から順次に切り離す酵素は、それぞれアミノペプチターゼあるいはカルボキシペプチターゼと呼ばれています。


5.〇
アロステリック酵素の反応曲線は、S字状(シグモイド)です。
アロステリック酵素とは、酵素の立体的な構造上で活性部位と異なる部位に低分子の調節因子が結合して増加したり、減少したりする現象をアロステリック効果といい、その効果を持つ酵素のことを言います。

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03

正解:5

1.律速酵素は、一連の代謝反応に従事する酵素の中で
  最も反応速度が遅い酵素です。
  律速酵素の反応が早くなると、他の反応全体が早く
  進むようになります。

2.Km値は、反応速度が最大反応速度の1/2に達する
  のに必要な基質濃度です。
  Kmは大きいほど、酵素と基質の親和性が低いです。

3.至適pHとは、各酵素にとって、最も反応速度が早く
  なるpHのことです。
  多くの酵素はpH7(中性)付近で反応が最も
  早くなります。

4.ペプチダーゼとは、ペプチド結合を加水分解する
  酵素の総称です。
  ペプチド結合とは、カルボキシル基の炭素と
  アミノ基の窒素が脱水縮合することによって
  生じる結合です。

5.アロステリック酵素の反応曲線は、S字状です。

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