管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問24

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

内分泌系と神経系による情報伝達機構に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
  • セカンドメッセンジャーは、細胞質内で働く。
  • 脱分極は、細胞膜電位が負の方向に変化することをいう。
  • 神経活動電位の伝導速度は、無髄線維が有髄線維より速い。
  • アドレナリンは、細胞質内の受容体に結合する。
  • ノルアドレナリンは、内分泌系と神経系で働く。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正解です。セカンドメッセンジャーとは、細胞外からの刺激に応答して細胞内で生成され、細胞外の情報を細胞内に伝える物質のことです。

2. 脱分極は、細胞膜電位が正の方向に変化することをいいます。細胞膜は静止膜電位(-70mV)で定常状態を保っています。ここから正の方向に膜電位が変化することを脱分極といいます。一方、更に負の方向に変化することを過分極といいます。

3. 神経活動電位の伝導速度は、無髄線維より有髄線維で速いです。有髄線維は神経線維の周囲に絶縁物質の髄鞘があります。髄鞘は数十ミクロンの間隔で途切れており、この隙間をランビエ絞輪といいます。神経活動電位はこのランビエ絞輪を飛び飛びで伝わっていくため、速く伝わります。

4 ホルモンには水溶性ホルモンと脂溶性ホルモンが存在します。細胞膜は脂質二重膜で構成されているため、水溶性ホルモンは細胞膜を通過できず、脂溶性ホルモンは通過できます。そのため、水溶性ホルモンの受容体は細胞質膜上に、脂溶性ホルモンの受容体は細胞質内に存在します。アドレナリンは水溶性ホルモンのため、受容体は細胞膜上に存在しています。

5. 正解です。ノルアドレナリンは内分泌系や神経系で働きます。

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02

正解は1と5です。

1.〇
セカンドメッセンジャーは細胞内で外部からの刺激(信号)を伝える役割を持つ物質のことです。
cAMPなどが代表的なものです。

2.×
脱分極は、細胞膜電位が正(プラス)の方向に変化することをいいます。
細胞膜電位が負(マイナス)の方向に変化することは、過分極といいます。

3.×
神経活動電位の伝導速度は有髄線維の方が早いです。
直径2μmの無髄線維はおよそ1m/sの伝導速度を示すのに対し、同じ直径をもつ有髄線維はおよそ18m/sの速度を持ちます。

4.×
アドレナリンの受容体は、細胞膜表面に存在しています。
細胞質内に存在する受容体は、ステロイドホルモン受容体と活性型ビタミンD₃受容体です。

5.〇
ノルアドレナリンは、内分泌系と神経系で働きます。

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03

正解:1と5 

1 . セカンドメッセンジャーは、細胞質内で働きます。
 細胞内への情報伝達は受容体を通じて行われます。
 細胞内ではセカンドメッセンジャーなどの情報伝達系
 によって伝えられます。

2 . 脱分極は、細胞膜電位がプラスの方向に変化すること
 をいいます。
 マイナスの方向に変化することは過分極といいます。

3 . 有髄線維は、髄鞘で覆われています。
 有髄線維は、神跳躍伝導するため髄鞘のない無髄線維
 に比べて、情報を早く伝えることができます。
 例えば、早い興奮伝導を必要とする運動神経系等は
 有髄、あまりスピードを必要としない自律神経系は
 無髄です。

4 . アドレナリンは、水溶性なので細胞膜受容体に
 結合します。

5 . ノルアドレナリンは、内分泌系と神経系で働きます。
 ノルアドレナリンは神経伝達物質の一つで交感神経
 末端から分泌されます。

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