管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンを加水分解する。
  • 肝細胞内cAMP(サイクリックAMP)濃度の上昇は、グリコーゲン合成を促進する。
  • グルコース6ホスファターゼは、筋肉に存在する。
  • ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。
  • 糖新生は、インスリンによって抑制される。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンにリン酸基を付加することでグリコーゲンを分解します。グリコーゲン分解の律速酵素です。

2. 肝細胞内cAMP濃度の上昇は、グリコーゲン分解を促進します。絶食などの低血糖状態では、膵α細胞からグルカゴンが分泌されます。グルカゴンが肝細胞の受容体に結合すると、肝細胞内cAMPが上昇し、PKAが活性化します。活性化されたPKAはグリコーゲン分解を促進させたり、糖新生を亢進させたりすることによって、血糖値の上昇に関与します。

3. グルコース-6-ホスファターゼは、筋肉に存在しません。そのため、筋グリコーゲンは分解されても血中へ放出されず、再び筋肉で利用されます、一方、肝臓にはグルコース-6-ホスファターゼが存在するため、グリコーゲン分解や糖新生によって産生されたグルコースは血中で放出され、脳や赤血球といいた末梢組織のエネルギー源として利用されます。

4. ペントースリン酸回路は、NADPHを生成します。このNADPHは食後の肝臓での脂肪酸合成時に多く供給されます。

5. 正解です。糖新生はインスリンによって抑制されます。

参考になった数26

02

正解:5

1 . グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンの
 加リン酸分解を触媒します。
 グリコーゲンの分解はグリコーゲンホスホリラーゼに
 よってグリコーゲンを加リン酸分解して
 グルコース-1-リン酸に分解することから始まりま
 す。

2 . 肝細胞内cAMP(サイクリックAMP)濃度の上昇は、
 グリコーゲン分解を促進します。

3 . グルコース6ホスファターゼは、肝臓、腎臓、腸に
 存在します。
 グルコース6ーリン酸をグルコース6ホスファターゼが
 加水分解して、グルコースとリン酸に分解します。

4 . ペントースリン酸回路では、NADPH2と、
 リボース5−リン酸を生成します。
 NADPH2は、脂肪酸やステロイドの合成に必要です。
 リボース5−リン酸は、核酸の原料となります。

5 . 糖新生は、肝臓でインスリンによって抑制されます。
 糖新生とは、グルコースが不足した時、
 グリセロール、アミノ酸、乳酸など糖質以外から
 グルコースがつくられることです。

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03

正解は5です。

1.×
グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンの加リン酸分解を触媒します。

2.×
肝細胞内cAMP(サイクリックAMP)濃度の上昇は、グリコーゲン分解を促進します。
cAMPは、ATPを基質にアデニル酸シクラーゼによって生成され、細胞に対するホルモンの信号物質の指令を受け取り細胞内で合成され、細胞内信号伝達物質として働くためセカンドメッセンジャーとも呼ばれます。

3.×
グルコース6ホスファターゼは、筋肉に存在しません。そのため、糖新生されずに解糖系に入り、筋肉のエネルギー供給のみに関与します。
グルコース6ホスファターゼは、肝臓と腎臓に存在します。

4.×
ペントースリン酸回路は、NADHではなくNADPHを生成します。
NADPHは、脂肪酸やコレステロールの合成に関与しています。
解糖系で1分子のグルコースから2分子のNADHが生成され電子伝達系に入りATPと交換されます。

5.〇
糖新生は、乳酸、アミノ酸、グリセロールなど糖質以外のものからグルコースを生成することなので、血糖値を下げる働きのあるインスリンにより抑制されます。

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