管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問29
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問29 (訂正依頼・報告はこちら)
尿酸の代謝および高尿酸血症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- ロイシンは、尿酸の前駆体である。
- アルコールの摂取は、尿酸の排泄を抑制する。
- 肥満度が上がれば、尿酸値が低下する。
- 尿酸結石の予防には、尿を酸性化する。
- 高尿酸血症では、水分制限をすすめる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×
尿酸の前駆体となるのは、プリン体です。
グルタミン酸・グリシン・アスパラギン酸です。
2.〇
アルコールの摂取は、尿酸の排泄を抑制します。
アルコールを摂取するとアルコールが体内で分解される時に尿酸が作られ、その際にできる乳酸が体内に尿酸を蓄積させ排泄を抑制させます。
3.×
肥満度が上がれば、尿酸値が上昇します。
肥満度と尿酸値は強い関連性があります。肥満が尿酸値を上昇させる要因としては過食が挙げられます。尿酸の前駆体であるプリン体はほとんどが食品中に含まれているため過食は尿酸の体内への流入につながります。
4.×
尿酸結石の予防には、尿をアルカリ化します。
尿酸結石は尿が酸性化することでできてしまいます。そのためアルカリ化することで、尿酸結石の予防と尿酸結石を溶かしやすくします。
5.×
高尿酸血症では、
①肥満解消
②高プリン食を控える
③尿をアルカリ化する食品(海藻、大豆、ほうれん草など)の摂取
④十分な水分摂取
⑤飲酒制限
⑥適度な運動
を指導されます。
水分は尿量を増やし、尿路結石を予防するために十分な摂取を心掛けるようにします。
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02
2. 正解です。摂取されたアルコールは、アセトアルデヒドを経て酢酸へと代謝された後、アセチルCoAとなりTCA回路へ入ります。
この反応はNAD+を利用するため、NAD+を使う他の反応との競合が起こります。
ピルビン酸からアセチルCoAの産生はNAD+を利用する反応です。そのため、この反応が阻害され、ピルビン酸は乳酸へと代謝されます。この乳酸の産生増加が、腎臓での尿酸排泄を抑制します。
3. 肥満と尿酸値は強い相関を示しており、肥満度があがれば尿酸値も増加します。
4. 尿酸結石の予防には、尿をアルカリ化します。尿酸はpHがあがるにつれて溶解度が大きくなります。尿のアルカリ化のために、クエン酸製剤が用いられます。
5. 高尿酸血症では、水分をじゅうぶん摂取することを進めます。水分摂取を制限すると排泄される尿が減少するため、尿酸の排泄も減少してしまいます。
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03
1 . 尿酸は核酸の構成成分であるプリン体の代謝産物
です。
2 . アルコールの摂取は、尿酸の排泄を抑制します。
尿酸は酸性で、体液中では尿酸塩として存在します。
血中濃度が7.0mg/dlを超えると析出しやすくなり
ます。
この状態で酸性化や温度低下が生じると尿酸溶解度が
低下して、尿酸塩結晶が析出します。
3 . 肥満度が上がれば、尿酸値が上昇します。
尿酸値は、アルコールの多量飲酒、肉類・魚介類等に
多く含まれるプリン体の過剰摂取、肥満等が原因で
上がります。
4 . 尿酸結石の予防には、尿をアルカリ化する必要があり
ます。
5 . 高尿酸血症では、尿量を増やし尿酸排出を増加させる
ため、十分な水分摂取をおすすめします。
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