管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問31

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

肝障害に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • B型肝炎ウイルスは、RNAウイルスである。
  • E型肝炎ウイルスは、主に血液を介して伝播する。
  • 劇症肝炎では、意識障害を認める。
  • 肝硬変では、プロトロンビン時間が短縮する。
  • 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では、肝線維化を認めない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.×
B型肝炎ウイルスは、DNAウイルスです。
RNAウイルスなのは、A型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスです。

2.×
E型肝炎ウイルスは、主に経口感染で、ウイルスに汚染された食物、水等の摂取により感染することが多いとされています。
主に血液感染するウイルスはB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルスがあります。

3.〇
劇症肝炎では、意識障害を認ます。
劇症肝炎で、肝臓の機能が低下すると、血液を凝固させるために必要なたんぱく質(凝固因子)の産生が失われます。また身体に有害な物質が蓄積することにより意識障害が出現します。これを肝性脳症といいます。
B型肝炎ウイルスの感染が劇症肝炎に最も移行しやすくなっています。

4.×
肝硬変では、プロトロンビン時間が長くなります。
プロトロンビン時間とは、血漿に組織トロンボプラスチンという物質とカルシウムを加えたときのフィブリン析出までの時間を言います。
肝硬変では肝臓での血液凝固因子産生が低下しているため、血液凝固機能がうまく働かずフィブリン析出までの時間は長くなります。血液凝固機能が低下するとプロトロンビン時間は長くなるといえます。

5.×
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では、肝線維化を認めます。
NASHは、メタボリックシンドロームと深く関連性があり、内臓脂肪から放出された脂肪酸や血液中の過剰なグルコースが肝臓で中性脂肪合成に使用されて脂肪肝が生じると考えられており、その際肝臓組織は線維化し、肝硬変さらには肝がんに移行することがあります。

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02

1. B型肝炎ウイルスはDNAウイルスです。C型肝炎ウイルスはRNAウイルスです。

2. E型肝炎ウイルスの主な感染経路は経口感染であり、ウイルスに汚染された食物や水の摂取によって感染します。血液を介して感染するのは、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスです。

3. 正解です。劇症肝炎の特徴は、意識障害(肝性脳症)です。

4. 肝硬変では、プロトロンビン時間が延長します。
プロトロンビン時間は、血液に凝固を促進する試薬を入れた後、37度で血液が凝固するまでの時間をいいます。
プロトロンビンは出血があると出血部位に集まり、トロンビンに変化し血液を凝固させます。血液凝固因子の多くは肝臓で作られますが、肝硬変によって肝機能が低下すると、凝固因子の産生も低下するため、プロトロンビン時間も延長します。

5. 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では、肝線維化を認めます。肝臓に脂肪が沈着することで、炎症や線維化を引き起こします。

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03

正解:3

1 . B型肝炎ウイルスは、DNAウイルスです。
 C型肝炎ウイルスは、RNAウイルスです。

2 . E型肝炎ウイルスは、主に経口感染です。
 主な感染経路として、A型肝炎ウイルスは経口感染、
 B型肝炎ウイルスは輸血感染や母子感染、
 C型肝炎ウイルスは輸血感染です。

3 . 劇症肝炎は、B型肝炎やC型肝炎から移行しやすく、
 意識障害を認めます。

4 . 肝硬変では、プロトロンビン時間が延長します。
 プロトロンビンは血液凝固に必要なトロンビンの
 前駆物質で肝臓で合成されます。
 肝硬変では肝機能の低下により、凝固因子の生産も
 低下し、血液が凝固するのに時間がかかるようになり
 ます。

5 . 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では、肝線維化
 を認めます。
 肥満や糖尿病等が原因のNASHは、肝硬変や肝臓がん
 にもなる可能性があるため注意が必要です。

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