管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問32
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
循環器疾患の成因と病態に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- くも膜下出血は、心房細動で起こる。
- 肺塞栓は、静脈血栓症で起こる。
- 右心不全では、肺うっ血が生じる。
- 狭心症では、心筋壊死が生じる。
- 腎血管性高血圧では、レニン分泌が低下する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×
くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂や脳動静脈奇形、もやもや病によってくも膜下腔への出血することです。
心房細動が原因になるのは、脳梗塞(脳塞栓症)です。
2.〇
肺塞栓は、静脈血栓症で起こります。
肺塞栓症は、エコノミークラス症候群とも呼ばれ、肺動脈に血栓が詰まる病気です。この血栓を「深部静脈血栓症」とよびその血栓の9割は脚の静脈内にでき、血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれて肺塞栓が起きます。
3.×
右心不全では、大静脈のうっ血により、全身の浮腫、肝臓の肥大などが生じます。
肺うっ血(肺静脈のうっ血)により呼吸困難、肺水腫などが生じるのは左心不全です。
4.×
狭心症では、冠動脈の狭窄や一過性の心筋虚血は生じますが壊死にはいたりません。
心筋壊死や冠動脈の閉塞が生じるのは心筋梗塞です。
5.×
腎血管性高血圧では、腎血流の低下に伴い、血圧上昇させようとレニンの分泌が上昇することにより、高血圧を招く症状のことです。
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02
2. 正解です。肺塞栓症は、深部静脈にできた血栓が血液に乗って流れ、肺の細い動脈をふさぐため起こります。飛行機内や、災害地域で避難している車内などで、長時間同じ姿勢を取り続けていることで発症することが知られています。
3. 左心不全で肺うっ血が生じます。左心不全が起こると、左心室から大動脈への血液の排出量が減少します。すると、左心房、肺動脈、肺静脈の血液がうっ滞し、肺うっ血が起こります。
4. 心筋梗塞では、冠動脈の血流が狭窄や血栓でほぼ完全に止まってしまい、その閉塞の先の心筋が壊死します。狭心症では、完全に血流が止まらないため、壊死は発生しません。
5. 腎血管性高血圧では、レニン分泌が増加します。レニンは腎臓で産生され、血圧上昇に関与します。腎血管性高血圧では、腎動脈が狭窄することにより腎臓内にじゅうぶんな血液が流入しないため、レニンの産生を増加し、血圧を上昇させようとします。
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03
1 . くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂などが原因で起こり
ます。
心臓は、正常規則的に60~100回1分間で拍動します
が、心房細動では不規則に300回以上拍動します。
心房細動で血栓ができやすくなり、脳梗塞を引き起こ
します。
2 . 肺塞栓は、静脈血栓症で起こります。
肺梗塞症は、主に下肢に生じた深部静脈血栓が、
肺動脈まで運ばれ詰まることによって肺動脈の血流
が悪くなったり、閉塞してしまう疾患です。
3 . 左心不全は肺に血液がうっ滞して呼吸器系の疾患を
引き起こします。
肺水腫、チアノーゼなどが生じます。
右心不全は、循環の不良を反映した疾患を引き起こし
ます。頸静脈の怒張、腹水、浮腫などが生じます。
4 . 狭心症は心臓の血管が粥状硬化症等により、
細くなった状態をいいます。
発作は繰り返されますが、発作時間が短いのが特徴
です。
心筋梗塞では冠状動脈に塞栓、血栓が生じて血流が
妨げられることで心筋の壊死が生じます。
5 . 腎血管性高血圧では、レニン分泌が増加します。
レニンはアンジオテンシンⅡを生成し、血圧を
上昇させます。
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