管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問42

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

免疫グロブリンについての記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • IgMは、胎盤を通過する。
  • IgAは、唾液中に含まれる。
  • IgGは、即時型アレルギー反応に関わる。
  • IgEは、肥満細胞から分泌される。
  • IgEは、免疫グロブリンの中で最も血液中濃度が高い。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. IgGが唯一胎盤を通過できる免疫グロブリンです。母体から移行したIgGは、新生児が自分の免疫系を確立するまでの生後約1週間、新生児の生体防御を担っています。

2. 正解です。IgAは唾液の他に、血清や鼻汁、母乳、腸液に存在します。母乳中のIgAは、新生児の消化管、気道、粘膜の局所免疫として働きます。

3. IgEが即時型アレルギー反応に関わります。マスト細胞(肥満細胞)や好塩基球に結合しているIgEに抗原たんぱく質が結合し、2つのIgEを架橋するような形となります。すると、シグナルが細胞内へ伝達され、細胞が活性化し、ヒスタミンやロイコトリエンを放出させます。

4. IgEは、肥満細胞から分泌されるのではなく、肥満細胞に結合してアレルギー反応に関わっています。

5. IgGが、免疫グロブリンの中で最も血中濃度が高く、約70〜75%存在します。その他の免疫グロブリンの血中濃度は、多い順に、IgA、IgM、IgD、IgEとなっています。

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02

正解は2です。

1.×
IgMは、分子量が大きいので胎盤を通過できません。
胎盤を通過することができるのは、分子量が一番小さいIgGのみです。

2.〇
IgAは、唾液中に含まれます。
IgAは消化管、気道の局所免疫に伴い多くは腸管などの粘膜上に分泌されます。

3.×
IgGは、IgMの後に産生される抗体で感染後期に増加し、比較的長期間産生し続けます。
即時型アレルギー反応に関わるのはIgEです。

4.×
IgEは、肥満細胞から分泌されるのではなく、肥満(マスト)細胞や好塩基球の表面に結合し、ヒスタミンなどが放出されて症状が出現します。

5.×
血清中では、IgG(約70~75%)、IgA(約15~20%)、IgM(約10%)の順に多く、IgDとIgEはごく微量にしか含まれていません。


×

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03

正解:2

1 . IgGは胎盤を通過して胎児に移行し、新生児の
体液性免疫になります。血清中に最も多く含まれます。
IgMは、感染初期の防御に関与します。

2 . IgAは、唾液、母乳、腸管分泌液等に含まれます。

3 . IgEは、即時型アレルギー反応や
アナフィラキシーショックに関与します。
即時型アレルギーはIgEによるアレルギーで食物、花粉、
ダニなどのアレルゲンに対してつくられ、好塩基球や
肥満細胞に結合したIgEと抗原が反応し、ヒスタミン等の
化学物質が放出させることで症状が生じます。

4 . IgEは、肥満細胞に結合して即時型アレルギー反応や
アナフィラキシーショックに関与します。

5 . IgGは、免疫グロブリンの中で最も血液中濃度が
高いです。
体液性免疫の免疫グロブリンはリンパ球B細胞より
産生され、血中濃度が高い順にIgG、IgA、IgM、IgD、
IgEの5種類があります。

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