管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問41
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問41 (訂正依頼・報告はこちら)
血液系疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 腎性貧血は、エリスロポエチンの増加で起こる。
- 再生不良性貧血は、ビタミンB12欠乏で起こる。
- 壊血病は、ビタミンA欠乏で起こる。
- 血友病は、ビタミンK欠乏で起こる。
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)では、血小板減少がみられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 . 腎性貧血は、腎不全によるエリスロポエチンの
低下で起こります。
エリスロポエチンとは赤血球産生を促進する
たんぱく質です。
2 . 再生不良性貧血は、骨髄の造血機能低下で
起こります。赤血球や白血球、血小板が減少します。
原因不明の場合が多いですが、放射線やベンゼンなどが成因といわれます。
ビタミンB12や葉酸の欠乏で起こる貧血を、
巨赤芽球性貧血といいます。
3 . 壊血病はビタミンCの欠乏症であり、成人では
小出血が生じます。
ビタミンA欠乏で起こる疾患は、夜盲症や角膜乾燥症、
過剰で起きるのは胎児奇形や脳圧亢進症です。
4 . 血友病は、血液凝固因子の第Ⅷ因子または第Ⅸ因子が生まれつき欠乏していることが原因で、
血液が固まりにくく出血が生じる疾患です。
ビタミンK欠乏で起こるのは、新生児メレナ、
血液凝固不良です。
5 . 播種性血管内凝固症候群(DIC)では、血小板減少
がみられます。
敗血症、白血病、ウイルス感染等で血液凝固反応が
亢進し、血栓が形成されます。血栓が形成されるため、血小板や血液凝固因子の消費が亢進します。
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02
2. 再生不良性貧血は、骨髄中の造血幹細胞が何らかの原因で傷害され、白血球、赤血球、血小板が減少する疾患です。ビタミンB12欠乏で起こる貧血は、巨赤芽球貧血です。
3. 壊血病は、ビタミンC欠乏で起こり、皮膚や粘膜、歯肉からの出血、創傷治癒の遅れなどの症状を示します。生後6〜12ヶ月で見られるビタミンC欠乏症はメレル・バロウ病とも呼ばれ、出血や骨形成不全などの症状を示します。
4 血友病は、遺伝性血液凝固異常症です。X染色体上にある、血液凝固因子の第Ⅷ因子と第Ⅸ因子をコードする遺伝子の変異によって引き起こされます。ビタミンKは腸内細菌叢で産生されるため、通常では不足することはありません。しかし新生児や乳児は腸内細菌叢が未熟なため、ビタミンK欠乏症を起こすことがあります。また成人でも、抗生物質投与により腸内細菌叢が減少したり、閉塞性黄疸によってビタミンKの吸収に寄与する胆汁の分泌が減少したりすると、ビタミンK欠乏症を発症します。
5. 正解です。播種性血管内凝固症候群(DIC)では、血液凝固反応が全身の血管内で無秩序に起こります。血液凝固反応が持続的に起こるので、血小板が消費され減少します。
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03
1.×
腎性貧血は、エリスロポエチンの産生低下で起こります。
2.×
再生不良性貧血は、骨髄中の造血幹細胞がなんらかの原因で傷害されて起こる貧血のことです。
ビタミンB12欠乏で起こる貧血は、巨赤芽球性貧血のことです。
3.×
壊血病は、ビタミンC欠乏で様々な部位の結合組織の形成が不良となり、出血傾向を示す欠乏症のことです。
ビタミンAの欠乏症は夜盲症、上皮組織の角化、免疫反応の低下などがあります。
4.×
血友病は、血液凝固因子のうち第Ⅷ因子・第Ⅺ因子の欠損ないし活性低下による遺伝性血液凝固異常症のことです。
ビタミンKの欠乏で起こる血液凝固障害における血液凝固因子は第Ⅱ因子・第Ⅶ因子・第Ⅸ因子・第Ⅹ因子でビタミンK依存性凝固因子といわれています。
5.〇
播種性血管内凝固症候群(DIC)では、血小板や血液凝固因子の減少がみられ、全身に出血傾向が生じる病気です。
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