管理栄養士の過去問
第31回
食べ物と健康 問54

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

微生物に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • クロストリジウム属細菌は、水分活性0.9以上で増殖できる。
  • バシラス属細菌は、10%の食塩濃度で生育できる。
  • 通性嫌気性菌は、酸素の有無に関係なく生育できる。
  • 偏性嫌気性菌は、酸素の存在下で増殖できる。
  • 好気性菌は、光が無くても生育できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

誤っているものは「偏性嫌気性菌は、酸素の存在下で増殖できる。」です。

選択肢1. クロストリジウム属細菌は、水分活性0.9以上で増殖できる。

正解です。
細菌は水分活性0.9以上、カビは水分活性0.8以上、酵母は水分活性0.88以上で増殖することができます。

選択肢2. バシラス属細菌は、10%の食塩濃度で生育できる。

正解です。
バジラス属菌は、偏性好気性菌のグラム陽性桿菌です。セレウス菌などが該当します。

選択肢3. 通性嫌気性菌は、酸素の有無に関係なく生育できる。

正解です。

選択肢4. 偏性嫌気性菌は、酸素の存在下で増殖できる。

誤りです。

偏性嫌気性菌は、非酸素存在下で増殖できます。
酸素の存在下で増殖できるのは、好気性菌、微好気性菌、通性嫌気性菌です。

選択肢5. 好気性菌は、光が無くても生育できる。

正解です。

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02

誤っているものは「偏性嫌気性菌は、酸素の存在下で増殖できる。」です。

選択肢1. クロストリジウム属細菌は、水分活性0.9以上で増殖できる。

正しいです。
微生物の生育に必要な最低水分活性値は、かび0.75<酵母0.85<細菌0.90です。
クロストリジウム属細菌はボツリヌス菌やウェルシュ菌がいます。

選択肢2. バシラス属細菌は、10%の食塩濃度で生育できる。

正しいです。
バシラス属細菌はセレウス菌などで、熱や乾燥・薬剤に強い菌です。また10%以上の塩存在下げ増殖できる高度好塩菌です。
微生物の多くは食塩濃度0.9%を好みます。

選択肢3. 通性嫌気性菌は、酸素の有無に関係なく生育できる。

正しいです。
通性嫌気性菌は、酸素があった方が増殖しやすいが、酸素の有無に関わらず増殖できる菌です。多くの菌がこれに属します。

選択肢4. 偏性嫌気性菌は、酸素の存在下で増殖できる。

偏性嫌気性菌は、酸素がない状態かまたは非常に少ない状態で増殖できます。
ボツリヌス菌やウェルシュ菌がこれに属します。
酸素の存在下で増殖できるのは、好気性菌や微好気性菌、通性嫌気性菌です。

選択肢5. 好気性菌は、光が無くても生育できる。

正しいです。
細菌は原核生物であり、光合成を行わないため光が無くても生育できます。しかし、好気性菌なので生育するには酸素が必要です。

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03

誤っているものは「偏性嫌気性菌は、酸素の存在下で増殖できる。」です。

選択肢1. クロストリジウム属細菌は、水分活性0.9以上で増殖できる。

正しいです。
増殖に必要な水分活性は、細菌(0.9)>酵母(0.85-0.65)>カビ(0.75)です。
クロストリジウム属細菌は、偏性嫌気性菌で芽胞を形成するグラム陽性桿菌です。ボツリヌス菌などがいます。

選択肢2. バシラス属細菌は、10%の食塩濃度で生育できる。

正しいです。
バシラス属細菌は、偏性好気性菌で芽胞を形成するグラム陽性桿菌です。

水中や土壌に普遍的に存在し、高pHや低温・高塩濃度・高圧などの環境にも適している種が多いです。セレウス菌などがいます。

選択肢3. 通性嫌気性菌は、酸素の有無に関係なく生育できる。

正しいです。
嫌気性菌は増殖に酸素を必要としない細菌のことです。

さらに、酸素存在下でも生育できる通性嫌気性菌と大気レベルの濃度の酸素暴露することによって死滅してしまう(酸素があると増殖できない)偏性嫌気性菌に分けられます。

選択肢4. 偏性嫌気性菌は、酸素の存在下で増殖できる。

偏性嫌気性菌は酸素の存在下では増殖できません。

選択肢5. 好気性菌は、光が無くても生育できる。

正しいです。
細菌は光合成を行わないため、光がなくても生育できます。

しかし、好気性菌は糖や脂質のような物質を酸化し、エネルギーを得るために酸素を利用するため、増殖に酸素が必要です。

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