管理栄養士の過去問
第31回
食べ物と健康 問57

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問57 (訂正依頼・報告はこちら)

残留性有機汚染物質に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • ワシントン条約によって、規制される対象物質が指定されている。
  • ダイオキシンは、ゴミの焼却により生成される。
  • PCBは、カネミ油症事件の原因物質である。
  • アルドリンは、使用が禁止されている。
  • DDTは、自然環境下では分解されにくい。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.ストックホルム条約(POPs条約)によって、規制される対象物質が指定されています。

 ストックホルム条約は2005年に地球環境保全連絡会議で作成され、地球環境保全に関する関係閣僚会議で了承されました。
 残留性有機汚染物質とはPCBやDDTなど①毒性②難分解性③生物蓄積性④長距離移動の性質を有する化学物質のことです。POPs条約はこれらの製造や使用、輸出入の禁止または制限をする条約です。
 ワシントン条約は絶滅のおそれのある野生動物の種の国際取引に関する条約のことです。


2.正しいです。

 ダイオキシンはゴミの焼却(特に低温の焼却)によって発生し、大気中に放出されます。
 ダイオキシンには生殖器傷害や催奇形性、発がん性、内分泌撹乱作用などがあります。


3.正しいです。

 カネミ油症は食用油に混入したPCB(ポリ塩化ビフェニル)が原因です。ニキビ様の皮疹、皮膚の色素沈着、四肢の脱力感などの症状があります。


4.正しいです。

 アルドリンとは有機塩素系の殺虫剤で、痙攣やめまい、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が起きます。
1960年代後半から使用制限または禁止となり、1971年に禁止となりました。


5.正しいです。

 DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)は有機塩素系の殺虫剤・農薬として使用され、四肢のしびれ感や振戦、貧血などの症状を起こします。
 自然界で分解されにくく、長期にわたって土壌に留まり影響を与え、また食物連鎖によって生体濃縮されてヒトの体内にも取り込まれます。

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02

1.残留性有機汚染物質に関して規制される対象物質が指定されている条約はストックホルム条約になります。
ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約になります。

2.正解です。

3.正解です。

4.正解です。

5.正解です。

参考になった数3

03

1.ストックホルム条約(POPs条約)によって規制される対象物質が指定されています。
ワシントン条約は絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約です。

2.正しいです。
ダイオキシンは炭素、水素、酸素、塩素が熱せられるような工程で発生します。
体内に吸収されやすいですが、分解されることはほとんどなく、排泄もされにくいため、体内に残留しやすい物質です。
ダイオキシンは催奇形性や発がん性などの毒性が高いです。

3.正しいです。
カネミ油症事件は、1968年にPBC(ポリ塩化ビフェニル)などが混入した食用油を摂取することで障害が発生した食中毒事件です。
症状の一つとして皮膚の色素沈着があります。

4.正しいです。
ストックホルム条約にて禁止されています。
1960年代後半から使用制限または禁止となり、1971年に禁止となりました。

5.正しいです。
DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)は強力な殺虫力を有する有機塩素系の化合物です。
難分解性・高蓄積性であり、かつて農薬としても使用されていました。
「化学物質の審査及び製造等の規則に関する法則」の第一種特定化学物質に指定され、原則的に製造・輸入が禁止されています。

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