管理栄養士の過去問
第31回
食べ物と健康 問67
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問67 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の加工に伴う成分変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- たんぱく質をアルカリ性で加熱したときには、リシノアラニンが生成する。
- 清酒製造では、米のデンプンがリパーゼにより糖化する。
- 食肉の塩漬では、保水性と結着性が低下する。
- 紅茶の発酵過程では、カテキンが分解される。
- ナチュラルチーズの製造では、乳清たんぱく質が凝固する。
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この過去問の解説 (3件)
01
たんぱく質をアルカリで処理すると、アラニン基とデヒドロアラニン基が反応してリシノアラニンを生成します。食品中にリシノアラニンが形成されるとリシンが減少するため、栄養価が低下します。
2.清酒製造では、米のデンプンがアミラーゼにより糖化します。
酒は米をこうじ菌のアミラーゼによって糖化し、酵母でアルコール発酵する並行複発酵酒です。
3.食肉の塩漬では、保水性と結着性が増加します。
加熱前の肉に1%程度の食塩を添加すると、たんぱく質分子間の結合が緩んで食肉の保水性が向上します。
4.紅茶の発酵過程では、カテキンが酸化重合されます。
紅茶は茶葉のタンニン(カテキン類)が茶葉が持っている酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ)によって酸化重合されて、テアフラビン(橙赤色)・テアルビジン(赤褐色)に変化します。
5.ナチュラルチーズの製造では、カゼインが凝固します。
乳たんぱく質は構成たんぱく質のκ-カゼインがキモシンにより限定分解されると凝固する性質があります。
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02
たんぱく質をアルカリで処理すると(例:かん水による中華麺の製造)、システイン残基がデヒドロアラニンに変化し、リシン残基のε-アミノ基を付加してリシノアラニンを生じます。そのため、たんぱく質の栄養価は低下します。
2清酒製造では、米のデンプンがアミラーゼにより糖化します。
清酒は、こうじかびによる糖化・酵母によるアルコール発酵の並行複発酵酒です。
3.食肉の塩漬は、保水性と結着性が増加します。
筋原線維たんぱく質の一つである「ミオシン」の作用により、塩漬することで保水性・結着性が増加します。
4.紅茶の発酵過程では、カテキンが酸化重合されます。
お茶のタンニン(カテキン類)が、お茶自身が持っている酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ、ペルオキシターゼ)によって酸化重合され、テアフラビン・テアルビジンといった紅茶の成分に変わることを「発酵」と呼びます。
5.ナチュラルチーズの製造では、カゼインが凝固します。
乳清は除去されます。
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03
2)×:清酒製造では、米のでんぷんが「アミラーゼ」により糖化します。
リパーゼは胃液や膵液に含まれる脂質を消化する消化酵素です。
3)×:食肉の塩漬では、保水性と結着性が「上昇」します。
4)×:紅茶の発酵過程では、カテキンが「酸化・重合」されます。茶は、酸化酵素による発酵度合いによって分類され、紅茶は発酵茶の分類に含まれます。
5)×:
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