管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問73
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問73 (訂正依頼・報告はこちら)
栄養素の吸収に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- フルクトースは、SGLT1により小腸上皮細胞内に取り込まれる。
- ジペプチドは、Na+を利用して小腸上皮細胞内に取り込まれる。
- 長鎖脂肪酸は、能動輸送により小腸上皮細胞内に取り込まれる。
- ビオチンの吸収は、卵白の摂取により促進される。
- 鉄の吸収は、体内の貯蔵鉄量に影響される。
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この過去問の解説 (3件)
01
SGLT1により小腸上皮細胞内に取り込まれるのは、グルコースです。
2.ジペプチド、H+を利用して小腸上皮細胞内に取り込まれます。
三次性能動輸送のひとつで、H+/ジペプチド共同輸送担体を利用して取り込まれます。
3.長鎖脂肪酸は、受動輸送により小腸上皮細胞内に取り込まれます。
受動輸送とは、濃度勾配に従って輸送される機構です。その際、エネルギーは不要です。
4.ビオチンの吸収は、卵白の摂取により抑制されます。
生卵白に含まれる糖たんぱく質のアビジンがビオチンと結びつくためにビオチンの吸収阻害が起こります。生卵白の過食によるビオチン欠乏症を卵白障害といい、皮膚炎・脱毛・食欲不振などが現れます。
ただし、加熱することでアビジンは変性するため、ビオチン欠乏にはなりません。また、卵黄にはビオチンが多く含まれるため、生全卵であれば摂取しても問題はありません。
5.正しいです。
貯蔵鉄は、フェリチンやヘモデシリンとして肝臓・脾臓・骨髄に蓄えられています。
月経や妊娠などで鉄が欠乏しているときは貯蔵鉄が減少しているため、鉄の吸収は高まります。
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02
2)×:ジペプチドはH+を利用して小腸上皮細胞内に取り込まれます。
3)×:長鎖脂肪酸は受動輸送により小腸上皮細胞内に取り込まれます。長鎖脂肪酸はミセルを形成し、生体膜を横切って取り込まれるため、受動輸送となります。
4)×:ビオチンの吸収は、卵白の摂取により阻害されます。卵白中に含まれるアピジンとビオチンが結合し、吸収阻害が起こります。
5)○:正しいです。体内の貯蔵鉄が少ない場合は、鉄の吸収率がアップします。
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03
摂取された糖質はグルコース、ガラクトース、フルクトースに分解されます。グルコースとガラクトースは微絨毛膜に存在するSGLT1を介して小腸上皮細胞内に吸収(能動輸送)されます。
フルクトースは微絨毛膜に存在するGLUT5を介して小腸上皮細胞内に吸収(促進拡散)されます。
2.ジペプチドはH+を利用して小腸上皮細胞内に取り込まれます。
ジペプチド・トリペプチドは小腸上皮細胞の微絨毛膜及び細胞内に存在するH+/ペプチド共輸送体を利用して小腸上皮細胞内に取り込まれます。
3.長鎖脂肪酸は、受動輸送により小腸上皮細胞内に取り込まれます。
モノアシルグリセロールと長鎖脂肪酸は胆汁酸塩とミセルを形成して可溶化され、小腸上皮細胞内に取り込まれます。受動輸送は生体膜を横切って、濃度勾配に従う溶質の輸送です。
4.ビオチンの吸収は、卵白の摂取により抑制されます。
生卵白に含まれる糖たんぱく質であるアビジンがビオチンを強く結合し、ビオチンの吸収を阻害します。生卵白を過食するとビオチン欠乏となり、皮膚炎や脱毛、食欲不振などが起きます。
加熱した卵白ではアビジンが変性するため、ビオチン欠乏にはなりません。また、卵黄中にはビオチンが多く含まれているので、生全卵を摂取すれば欠乏症にはなりません。
5.正しいです。
貯蔵鉄はフェリチンやへモジデリンという鉄たんぱく質と結合して、肝臓や脾臓、骨髄に貯えられます。月経などで鉄欠乏時には貯蔵鉄が減少するため、鉄の吸収率が高まります。
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