管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問74
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
栄養素の消化吸収率に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 消化吸収率は、摂取量に対する吸収量の割合である。
- 見かけの消化吸収率は、内因性の排泄量を考慮している。
- 老化でんぷんの消化吸収率は、糊化でんぷんより高い。
- カルシウムの消化吸収率は、摂取量に比例する。
- β-カロテンは、脂質とともに摂取すると、消化吸収率が低下する。
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この過去問の解説 (3件)
01
消化吸収率は摂取した栄養素がどれだけ消化吸収されたかを示す値を指します。
「みかけの消化吸収率」と、内因性損失量を考慮した「真の消化吸収率」があります。
2.真の消化吸収率は、内因性の排泄量(内因性損失量)を考慮しています。
内因性損失量とは、糞便中に含まれる消化液・消化管粘膜の剥離細胞、腸内細菌などの食事に由来しない成分のことをいいます。
3.老化でんぷんの消化吸収率は、糊化でんぷんより低いです。
糊化でんぷん(α化)とは、でんぷんに水を加えて加熱すると、でんぷんの糖鎖のミセル構造が壊れ、でんぷんが膨潤した状態をいいます。
また、老化でんぷん(β化)とは、糊化でんぷんを放置し、粘りがなくなって元の状態に戻った状態をいいます。そのため、消化吸収率は糊化でんぷんよりも低くなります。
4.カルシウムの消化吸収率は、生体の要求量に比例します。
成長期・妊娠期・授乳期・カルシウム欠乏時などには生体のカルシウム要求量が増大します。
5.β-カロテンは脂質とともに摂取すると、消化吸収率が上昇します。
β-カロテンは、脂溶性ビタミンであるため、脂質とともに摂取することで吸収率が高くなります。
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02
消化吸収率には内因性損失量を考慮した「真の消化吸収率」と「みせかけの消化吸収率」があります。
2.真の消化吸収率は、内因性の排泄量を考慮しています。
内因性の排泄量(内因性損失量)とは、糞便中に含まれる消化液、消化管粘膜の剥離細胞、腸内細菌などの食事に由来しない成分のことです。
3.老化でんぷんの消化吸収率は、糊化でんぷんより低いです。
糊化でんぷんとは生でんぷんに水を加えて加熱すると、水分子がでんぷん粒子内部に入り込んで水素結合を切断し、でんぷん分子が膨潤して粘度と透明度を増したものです。
老化でんぷんとは糊化でんぷんを放置し、水分子が剥離して硬くなり、元の生でんぷんに近い構造に戻ったものです。そのため糊化でんぷんよりも消化吸収しにくくなります。
4.カルシウムの消化吸収率は、生体の要求量に比例します。
成長期、妊娠期、授乳期、カルシウム欠乏時などは生体の要求量が増えて吸収率が高まります。
5.β-カロテンは脂質とともに摂取すると、消化吸収率が上昇します。
βーカロテンは脂溶性ビタミンなので脂質とともに摂取すると吸収率が上昇します。
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03
2)×:内因性の排泄量(内因性損失量)を考慮しているのは、真の消化吸収率です。
真の消化吸収率=《摂取量-(糞中排泄量-糞中内因性排泄量)》/摂取量×100
見かけの吸収率=(摂取量-糞中排泄量)/摂取量×100
3)×:老化でんぷんの消化吸収率は糊化でんぷんより低い。
4)×:カルシウムの吸収量は摂取量に比例します。消化吸収率は、摂取量が少なくなると、上昇します。
5)×:β-カロテンは脂質とともに摂取すると消化吸収率が上昇します。脂溶性ビタミン(A,D,E,K)は脂質とともに摂取することで吸収率がアップします。
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