管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問75
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問75 (訂正依頼・報告はこちら)
たんぱく質・アミノ酸の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- トランスフェリンの半減期は、レチノール結合たんぱく質より短い。
- たんぱく質の平均半減期は、筋肉より肝臓で長い。
- アミノ酸の筋肉への取り込みは、インスリンにより抑制される。
- バリンは、ケト原性アミノ酸である。
- ロイシンは、筋たんぱく質の合成を促進する。
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この過去問の解説 (3件)
01
レチノール結合たんぱく質の半減期は0.5日、トランスフェリンの半減期は8~9日です。
2.たんぱく質の平均半減期は、筋肉より肝臓で短いです。
骨格筋の平均半減期は約180日、肝臓で合成されるアルブミンなどの血清たんぱく質の平均半減期は約10日です。
3.アミノ酸の筋肉への取り込みは、インスリンにより促進されます。
食後は血中アミノ酸濃度とインスリン分泌が上昇し、筋肉などの組織へのアミノ酸吸収が高められ、体たんぱく質の合成が促進されます。
4.バリンは、糖原性アミノ酸です。
ケト原性アミノ酸はロイシン、リシンです。
ケト原性アミノ酸と糖原性アミノ酸の両方の性質を持つのはイソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンです。
糖原性アミノ酸は上記のもの以外です。
5.正しいです。
ロイシンは分岐鎖アミノ酸であり、分岐鎖アミノ酸を代謝する主要な臓器は筋肉です。ロイシンは筋たんぱく質の合成を促進し、分解を抑制します。
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02
トランスフェリンの半減期は7~10日、レチノール結合たんぱく質の半減期は12時間(0.5日)です。
2.たんぱく質の平均半減期は、筋肉より肝臓で短いです。
筋肉(骨格筋)の半減期は約180日、肝臓の半減期は約20日です。
また、消化管の半減期は約10日です。
3.アミノ酸の筋肉への取り込みは、インスリンにより促進されます。
インスリンは、骨格筋に作用してアミノ酸の細胞内への取り込みを増加させて、たんぱく質合成を促進させます。それにより、たんぱく質の異化を抑制します。
4.バリンは、糖原性アミノ酸です。
アミノ酸には、ケトン体を生成する「ケト原性アミノ酸」とグルコースを生成する「糖原性アミノ酸」があります。
ケト原性アミノ酸は、ロイシン・リシンです。ケト原性アミノ酸と糖原性アミノ酸の両方の性質を持つのは、イソロイシン・フェニルアラニン・チロシン・トリプトファンです。これ以外のアミノ酸は、糖原性アミノ酸になります。
5.正しいです。
ロイシンは、主に筋肉で代謝される分岐鎖アミノ酸です。筋たんぱく質の合成を促進し、分解を抑制します。
バリン・イソロイシンも分岐鎖アミノ酸です。
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03
トランスフェリンの半減期:8~12日
レチノール結合たんぱく質の半減期:12~16時間
2)×:たんぱく質の平均半減期は筋肉より肝臓で短いです。
筋肉(骨格筋)たんぱく質の半減期:80日
肝臓たんぱく質の半減期:12日
3)×:アミノ酸の筋肉への取り込みはインスリンによって促進されます。加えてたんぱく質の異化を抑制します。
4)×:バリンは糖原性アミノ酸です。
5)○:正しいです。ロイシンを含むBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)は、筋たんぱく質を構成するアミノ酸です。
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