管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問76
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問76 (訂正依頼・報告はこちら)
たんぱく質の量と質の評価に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- コルチゾールの分泌が増加すると、窒素出納は正になる。
- 不可欠アミノ酸は、11種類である。
- 分枝アミノ酸は、不可欠アミノ酸である。
- アミノ酸価は、食品中の可欠アミノ酸のバランスで決定される。
- たんぱく質の生物価は、摂取窒素量に対する体内保留窒素量の割合を示す。
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この過去問の解説 (3件)
01
窒素出納とは、1日の窒素の摂取量と体外へ排泄される総窒素との差で、健康なヒトの窒素出納は「ゼロ」となります。
<窒素出納=摂取窒素量(食事)-体外排泄窒素量(尿・便・汗・皮膚・毛髪など)>
コルチゾールは、たんぱく質の異化を促進する副腎皮質ホルモンであるため、分泌が増加することで窒素出納は負となります。
2.不可欠アミノ酸は、9種類です。
必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)は、体内で合成することができないアミノ酸です。そのため、食事から摂る必要があります。
ロイシン、バリン、トリプトファン、リジン、スレオニン、フェニルアラニン、メチオニン、イソロイシン、ヒスチジンの9種類です。
3.正しいです。
分岐鎖アミノ酸は、バリン・ロイシン・イソロイシンのことです。解説(2)にもあるように、これらは必須アミノ酸です。
4.アミノ酸価は、食品中の不可欠アミノ酸のバランスで決定されます。
アミノ酸価(アミノ酸スコア)とは、基準とするアミノ酸評点パターンと各食品の必須アミノ酸の比率を比較して、最も少ないアミノ酸(第一制限アミノ酸)の比率を評価値とする方法です。
<各食品の必須アミノ酸組成/アミノ酸評点パターン*100>で求め、%で表されます。
植物性たんぱく質の多くが制限アミノ酸をもち、アミノ酸スコアが100に達しないのに対し、動物性たんぱく質のほとんどは制限アミノ酸がなく、アミノ酸スコアは100です。
例)全卵:100、牛乳:100、牛肉:100、大豆:86(メチオニン+シスチン)、小麦粉(中力粉):41(リジン)
5.たんぱく質の生物価は、吸収窒素量に対する体内保留窒素量の割合を示します。
<生物価(%)=体内保留窒素量/吸収窒素量*100>
生物価が最も高いのは卵(87~97)で、70%以上のたんぱく質は良質とされます。
肉・魚・乳などの動物性食品が高く、米・大豆なども比較的高いです。
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02
窒素出納が負=たんぱく質が不足している状態のことです。コルチゾールの分泌が上昇→血糖値上昇→筋たんぱく質の分解が進むため、窒素出納は負になります。
2)×:不可欠アミノ酸は、9種類です。
バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン
3)○:正しいです。分岐アミノ酸=BCAAは不可欠アミノ酸に含まれています。
4)×:アミノ酸価は、食品中の不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)のバランスで決定されます。
5)×:たんぱく質の生物価は、吸収窒素量に対する体内保留窒素の割合を示します。つまり、体に吸収されたたんぱく質のうちどのくらいが体内で利用されているかをを示します。
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03
コルチゾールは副腎皮質ホルモンで、空腹時にたんぱく質の異化を促進し、糖新生も促進します。体たんぱく質が消費されるので窒素出納は負になります。
2.不可欠アミノ酸は9種類です。
必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)とは、体内で合成することができないか、あるいは合成することが出来ても必要量をまかなう事が出来ないため、食物として摂取しなければならないアミノ酸のことです。
ヒスチジン、スレオニン、トリプトファン、ロイシン、リシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、イソロイシンの9種類が必須アミノ酸です。
3.正しいです。
分枝アミノ酸とはバリン・ロイシン・イソロイシンのことで、これらは必須アミノ酸です。
4.アミノ酸価は食品中の不可欠アミノ酸バランスで決定されます。
アミノ酸価とは、食品中たんぱく質の栄養価を表す化学的評価法です。
食品中のたんぱく質の必須アミノ酸含有量をアミノ酸評点パターンと比較して、それよりも低い値のアミノ酸を「制限アミノ酸」、その中でも最も不足しているアミノ酸を「第一制限アミノ酸」と呼びます。
アミノ酸価は、食品たんぱく質の第一制限アミノ酸含有量がそのアミノ酸評点パターンの何%になるかで表されます。
5.たんぱく質の生物価は、吸収窒素量に対する体内保留窒素の割合を示します。
生物価は、食品中たんぱく質の栄養価を表す生物学的評価法の1つです。動物実験によって求められます。
生物価(%)=体内保留窒素量/吸収窒素量×100
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