管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問77
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問77 (訂正依頼・報告はこちら)
たんぱく質の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 摂取たんぱく質は、脂質に変換されない。
- たんぱく質の摂取量が多いと、ビタミンB6の必要量が減少する。
- たんぱく質の摂取量が多いと、尿中カルシウム排泄量が増加する。
- たんぱく質の摂取量が不足すると、血清トランスサイレチン値は上昇する。
- エネルギー摂取量が不足すると、たんぱく質の利用効率が高まる。
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この過去問の解説 (3件)
01
アミノ酸のうち、ケトン体を生成するケト原性アミノ酸は脂質に変換する作用をもちます。
2.たんぱく質の摂取量が多いと、ビタミンB6の必要量が増加します。
アミノ酸の代謝には、ビタミンB6が主に補酵素として関与します。
ビタミンB6に由来するピリドキサールリン酸(PLP)はアミノ基転移反応に必須のビタミンです。そのため、たんぱく質摂取量の増加に伴い、ビタミンB6の必要量は増加します。
3.正しいです。
一般的に、たんぱく質が豊富な食物はリンも多く含みます。リンは消化分泌物のカルシウム量を増加させる傾向にあるため、排泄物中のカルシウム量を増加させる傾向にあります。
4.たんぱく質の摂取量が不足すると、血清トランスサイレチン値は低下します。
血清トランスサイレチン(プレアルブミン)とは、肝臓で合成されるたんぱく質で、半減期が短いため栄養状態や肝のたんぱく合成能を速やかに反映するマーカーとして利用されています。
5.エネルギー摂取量が不足すると、たんぱく質の利用効率が低くなります。
エネルギー摂取量が不足することで、摂取したたんぱく質はエネルギーとして利用されます(糖新生の材料となる)。その結果、体たんぱく質として利用出来なくなり、利用効率は低下します。
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02
2)×:たんぱく質の摂取量が多いとビタミンB6の必要量は増加します。これはビタミンB6がアミノ酸代謝に必要な補酵素のためです。
3)○:正しいです。たんぱく質の摂取量が増加するとリンの摂取量が増加し、カルシウムの吸収阻害が起こり尿中への排泄量が増加します。
4)×:たんぱく質の摂取量が低下すると、血清トランスサイレチン値は減少します。血清トランスサイレチン(血漿アルブミン)は栄養状態の指標の一つです。
5)×:エネルギー摂取量が不足すると、たんぱく質の利用効率が低下します。
たんぱく質の利用効率とは、摂取したたんぱく質が体たんぱく質として利用されているかを表しています。
エネルギー摂取量が不足するとたんぱく質は体たんぱく質としてではなく、エネルギー源として利用されてしまうためです。
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03
アミノ酸のうち、分解されてアセチルCoAを生じるアミノ酸の事をケト原性アミノ酸といいます。アセチルCoAはケトン体や脂肪酸、コレステロール合成にも利用できるので、たんぱく質は脂質に変換されます。
2.たんぱく質の摂取量が多いと、ビタミンB6の必要量が増加します。
アミノ酸代謝ではビタミンB群が補酵素として関与します。ビタミンB6に由来するピリドキサールリン酸はアミノ基転移反応に必須の補酵素であり、たんぱく質摂取量の増加に伴いビタミンB6の必要量も増加します。
3.正しいです。
たんぱく質は過剰摂取するとリンの摂取量も同時に増加します。リンが増加するとカルシウムの腸管吸収は疎外され、尿中に排泄される量が増加します。
4.たんぱく質の摂取量が不足すると、血清トランスサイレチン値は低下します。
血清トランスサイレチン(プレアルブミン)とは肝臓で合成される急速代謝回転たんぱく質です。
急速代謝回転たんぱく質は内臓たんぱく質量を反映するため、短期間のたんぱく質の栄養状態を把握するのに用いられます。
5.エネルギー摂取量が不足すると、たんぱく質の利用効率が低下します。
炭水化物・脂質からのエネルギーが不足すると、摂取したたんぱく質はエネルギーや糖新生の材料として利用され、体たんぱく質として利用できなくなります。
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