管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問78
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問題
第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問78 (訂正依頼・報告はこちら)
炭水化物の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- コリ回路では、アラニンからグルコースが産生される。
- 空腹時には、糖原性アミノ酸からグルコースが産生される。
- 組織へのグルコース取り込みは、コルチゾールによって促進される。
- 健常者では、食後2時間で、血糖値が最大となる。
- 血糖値が低下すると、脂肪組織のトリアシルグリセロールの分解は抑制される。
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この過去問の解説 (3件)
01
コリ回路とは、筋肉・赤血球で作られた乳酸が肝臓に運ばれ、糖新生により再びグルコースとなる体内循環反応のことをいいます。
アラニンからグルコースが産生されるのは、グルコース・アラニン回路です。
2.正しいです。
グルコースが不足した時(空腹時など)には、血糖値が低下しないように乳酸・グリセロール・糖原性アミノ酸などの糖質以外の物質からグルコースを生成します(脂肪酸からグルコースは合成されません)。この代謝経路を「糖新生」といい、肝臓・腎臓で行われます(肝・腎のみ、糖新生の最終段階の酵素:グルコース-6-ホスファターゼをもっています)。
3.組織へのグルコースの取り込みは、インスリンによって促進されます。
インスリンは、筋肉や脂肪組織ではグルコースの細胞内への取り込みを促進し、肝臓では肝静脈へのブドウ糖放出(糖新生)を抑制し、血糖値を低下させます。
コルチゾールは、たんぱく質の異化を促進する副腎皮質ホルモンです。
4.健常者では、食後1時間以内に血糖値が最大となります。
そのため、2時間後には空腹時と変わらないくらいに戻ります。
糖尿病や予備軍である場合、インスリンの分泌量低下やインスリンの作用不全のため、食後2時間経っても血糖値が高値となります。
5.血糖値が上昇すると、脂肪組織のトリアシルグリセロールの分解は抑制されます。
血糖値の上昇により、インスリンが分泌されます。インスリンはホルモン感受性リパーゼの活性を抑制し、トリアシルグリセロールの分解を抑制します。
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02
コリ回路とは筋肉や赤血球、脳などが血中から取り込んだグルコースが解糖系で乳酸となり、肝臓に取り込まれて、糖新生によってグルコースに再合成される回路です。
2.正しいです。
グルコースが不足したとき、血糖値が低下しないように乳酸、グリセロール、糖原性アミノ酸などの糖質以外の物質からグルコースを生成します。この代謝代謝経路を糖新生といい、肝臓と腎臓で行われます。脂肪酸からグルコースは合成されません。
3.組織へのグルコースの取り込みは、インスリンによって促進されます。
コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、血糖値上昇や血中コレステロール上昇、糖新生促進、たんぱく質異化作用を持っています。
4.健常者では、食後30~60分で血糖値が最大となります。
血糖値は食後吸収された糖質によって上昇します。すると膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンが分泌されます。インスリンは組織でのグルコースのエネルギーへの利用を高め、またグルコースからグリコーゲンや中性脂肪の合成を促進し、血糖値を下げます。
血糖値は食後30~60分で一時的に上昇しますが、2~3時間後には空腹時の値である70~110mg/dlに戻るように調節されています。
5.血糖値が低下すると、脂肪組織のトリアシルグリセロールの分解は促進されます。
血糖値が低下すると、膵臓のランゲルハンス島α細胞からグルカゴン、副腎髄質からアドレナリンが分泌されます。これらのホルモンは、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンの分解や糖新生を促進して血糖値を上昇させるほか、脂肪組織の脂質分解も促進します。
これによってトリアシルグリセロールはグリセロールと脂肪酸に分解され、脂肪酸は肝臓や筋肉、心臓などのエネルギー源となります。
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03
2)〇:正しいです。グルコースに変換できるアミノ酸のことを糖原性アミノ酸と呼びます
3)×:組織へのグルコースの取り込みを促進するのはインスリンです。コルチゾールは副腎皮質ホルモンの一種で血糖値を上昇させる働きがあります。
4)×:健常者では食後15~30分後に血糖値が最大になります。
5)×:血糖値が低下すると、脂肪組織のトリアシルグリセロールの分解は促進されます。脂肪酸はエネルギーとして、グリセロールは糖新生に使われます
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