管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問79

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問79 (訂正依頼・報告はこちら)

脂質の臓器間輸送に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • カイロミクロンは、肝臓で合成されたトリアシルグリセロールを輸送する。
  • VLDLのコレステロール含有率は、LDLより大きい。
  • LDLのコレステロールの末梢細胞への取り込みは、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与する。
  • 末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みは、リポタンパク質リパーゼ(LPL)が関与する。
  • 脂肪組織から血中に放出された脂肪酸は、アルブミンと結合して輸送される。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1.VLDLは、肝臓で合成されたトリアシルグリセロールを輸送します。
カイロミクロンは、食事から摂取した脂肪を全身に運搬します。

2.VLDLのコレステロール含有率は、LDLより小さいです。
VLDLのコレステロール含有量は約20%、LDLのコレステロール含有量は約45%です。

3.LDLのコレステロールの末梢細胞への取り込みは、LDL受容体が関与します。
レシチンコレステロールアジルトランスフェラーゼ(LCAT)とは、レシチンのβ位の脂肪酸を主として遊離コレステロールに転移させて、コレステロールエステルを生成する反応を触媒する酵素です。血中コレステロールエステルの大部分がこの酵素により作られています。
肝臓で合成され、HDLに結合して存在しています。

4.末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みは、レシチンコレステロールアジルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与します。
リポたんぱく質リパーゼ(LPL)とは、中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解する酵素です。血中の中性脂肪に働き、分解した脂肪酸を細胞内に取り込んでいます。

5.正しいです。
空腹時などは、グルカゴン・アドレナリン・ノルアドレナリンなどによってホルモン感受性リパーゼが活性化されます。それにより、トリアシルグリセロール(TG)は遊離脂肪酸とグリセロールに分解されます。
血中に放出された遊離脂肪酸は、アルブミンと結合しエネルギー源として使用されます。

参考になった数22

02

1.VLDLは、肝臓で合成されたトリアシルグリセロールを輸送します。
 カイロミクロンは食事由来の脂質を脂肪組織、筋肉、肝臓などの各組織へ輸送します。

2.VLDLのコレステロール含有量は、LDLより少ないです。
 VLDL(超低密度リポたんぱく質)はコレステロール含有量は19%で、トリアシルグリセロールが50~70%と約半分を占めます。
 LDL(低密度リポたんぱく質)はコレステロールが約45%です。

3.LDLのコレステロールの末梢細胞への取り込みは、LDL受容体が関与します。
 レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)はレシチンのアシル基を遊離コレステロールに転移させて、コレステロールエステルとリゾレシチンを生じさせる酵素です。細胞膜から抜き取った遊離コレステロールをエステル化し、HDL粒子内部に取り込みます。

4.末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みは、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与します。
 LDL受容体は細胞内コレステロール量によって発現をコントロールされており、それによってLDLの細胞内への取り込み量が制御されています。

5.正しいです。
 空腹時にグルカゴンやノルアドレナリンによってホルモン感受性リパーゼは活性化され、脂肪組織中に蓄積されているトリアシルグリセロールはグリセロールと遊離脂肪酸に分解されます。生じたグリセロールは血中に拡散され、遊離脂肪酸はアルブミンと結合してエネルギーを必要とする組織に輸送されます。

参考になった数4

03

1)×:カイロミクロンは食事由来の脂質を各組織に輸送します。
2)×:VLDLのコレステロール含有率はLDLより低くなっています。
VLDL<トリグリセロール<LDLの順です
3)×:LDLのコレステロールの末梢神経への取り込みは、LDL受容体が関与します
4)×:末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みは、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与します
5)〇:正しいです。血中に放出された脂肪酸=遊離脂肪酸は血中でアルブミンと結合した状態で存在しています。

参考になった数2