管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問82

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問82 (訂正依頼・報告はこちら)

ミネラルの栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • マグネシウムの99%は、骨に存在する。
  • クロムは、インスリン作用を増強する。
  • メンケス病は、先天的な銅の過剰症である。
  • カルシトニンは、骨吸収を促進する。
  • 運動は、骨形成を抑制する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.カルシウムの99%は、骨に存在します。
99%は骨や歯(硬組織)に存在し、0.9%は細胞外液、0.1%は血液内に存在します。
摂取カルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶出し、血清カルシウム濃度を保ちます。
マグネシウムは60~65%が骨、27%が筋肉、残りは腎臓・脳・肝臓・肺などの組織や血液内・細胞外液に存在します。

2.正しいです。
クロムは炭水化物・脂質・たんぱく質代謝に関与し、インスリン作用を増強(グルコースの細胞吸収を促進)します。
欠乏すると、耐糖能異常が起こります。

3.メンケス病は、先天的な銅の欠乏症です。
遺伝性の欠乏症で、銅の吸収不全がみられます。
先天的な銅の過剰症としては、ウィルソン病があります。ウィルソン病は常染色体性劣性遺伝性疾患で、体内に銅が蓄積し、重度の肝障害・腎不全・脳神経障害などがみられます。

4.カルシトニンは、骨吸収を抑制します。
血中カルシウム濃度が上昇すると、カルシトニン(甲状腺ホルモン)の分泌が亢進します。それにより、骨吸収抑制・骨形成促進となり、血中カルシウム濃度が低下します。

5.運動は、骨形成を促進します。
骨は、運動などで適度な刺激を受けると骨形成が促進されます。

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02

1.× カルシウムの99%は、骨に存在します。
 マグネシウムは約60~65%が骨中、約27%が筋肉中に存在します。腎臓・脳・肝臓・肺などの組織、血中、細胞外液にも存在します。
 カルシウムは約99%が骨や歯など硬組織に存在し、残り1%の殆どが細胞内に、約0.1%が血液内に存在します。

2.○ 正しいです。
 クロモデュリンと呼ばれる三価クロムイオンが4つ結合したオリゴペプチドがインスリン作用を増強します。
 クロムが結合していないアポ型クロモデュリンには活性化能力がないので、クロムが欠乏すると、耐糖能異常が起きます。

3.× メンケス病は、先天的な銅の欠乏症です。
 メンケス病は遺伝性の欠乏症で、銅の吸収不全の症状が見られます。
 一方、過剰症は先天性銅代謝異常症であるウィルソン病があります。これは体内に銅が蓄積し、重度の肝障害、腎不全、脳神経障害などを生じます。

4.× カルシトニンは、骨吸収を抑制します。
 血中カルシウム濃度が上昇すると、甲状腺からカルシトニンの分泌が亢進して骨吸収を抑制し、骨形成を促進して血中カルシウム濃度を低下させます。

5.× 運動は、骨形成を促進します。
 骨は適度な刺激を与えることで骨形成が促進されます。運動不足になると、骨吸収が促進されます。

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03

1)×:マグネシウムの60%は骨に存在します。カルシウムの99%は骨に存在します。
2)〇:正しいです。クロムデュリンの構成成分で、インスリンの働きを増強します。
3)×:メンケス病は先天的な銅の欠乏症です。銅の過剰症はウイルソン病です。
4)×:カルシトニンは骨吸収を抑制します。骨吸収を促進するのはパラトルモンです。
5)×:運動は、骨形成を促進します。骨に負荷をかけることで骨形成を促します。

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