管理栄養士の過去問
第31回
基礎栄養学 問83

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問83 (訂正依頼・報告はこちら)

エネルギー代謝の測定に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 直接法では、酸素消費量からエネルギー消費量を評価する。
  • 二重標識水法では、酸素と水素の安定同位元素の減少速度よりエネルギー消費量を求める。
  • 基礎代謝量は、睡眠状態で測定する。
  • 脂肪の燃焼では、酸素消費量と二酸化炭素産生量のモル数は等しい。
  • 二酸化炭素産生量は、安静時より運動時に減少する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.× 直接法では、水温の上昇からエネルギー消費量を評価します。
 直接法とは、外気と熱との交流を完全に遮断した部屋(代謝チャンバー)に人が入り、身体から放出される熱量を室内に循環する水に吸収させて、その温度上昇から放出された熱量を直接測定するものです。

2.○ 正しいです。
 二重標識水法とは通常の日常生活におけるエネルギー消費量を長期間にわたって正確に測定できる方法です。
 二重標識水を一定時間摂取し、体内の安定同位体の自然存在比よりも高い状態にし、これが再び自然存在比に戻るまでの間に体外に排出された安定同位体の経時変化からエネルギー消費量を推定します。

3.× 基礎代謝量は、覚醒状態で測定します。
 基礎代謝量は、前日の夕食後12~16時間経過し、食物が完全に消化・吸収された状態になっている早朝空腹時で、快適な温度条件下(20~25℃)、仰臥、覚醒状態で測定します。
 睡眠状態で測定するのは睡眠時代謝量です。

4.× 炭水化物の燃焼では、酸素消費量を二酸化炭素産生量のモル数は等しいです。
 呼吸商(RQ)は栄養素が燃焼するときに排出された二酸化炭素の量と、消費された酸素の量の体積比です。
 呼吸商=二酸化炭素排出量/酸素消費量で算出されます。
 各栄養素の呼吸商は、糖質1.0、脂質0.7、たんぱく質0.8です。
 つまり、脂質の燃焼では消費する酸素1モルに対して、0.7モルの二酸化炭素が発生するので、脂質の燃焼時のモル数は等しくありません。

5.× 二酸化炭素産生量は、安静時より運動時に増加します。
 エネルギー源となる栄養素が燃焼されると、二酸化炭素と水に代謝されます。
 運動時にはエネルギー消費量が増加するので、二酸化炭素量は増加します。

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02

1)×:直接法では、人が発散した熱エネルギーを水温の上昇を用いて直接測定して消費エネルギーを求める方法です。文章は間接法になります。
2)〇:正しいです。
二重標識水法とは、間接的に測定する方法のひとつ二重標識水を投与し、標識の希釈速度からエネルギー消費量を求めることが出来ます。活動が制約されない状況で使用することができるのが特徴です。
3)×:基礎代謝量の測定条件は、
・早朝空腹時(前日夕食後12~16時間経過後)
・快適な室温下(20~25℃)
・心身ともに安静で眠らず横になった状態
4)×:異なります。酸素消費量と二酸化炭素産生量のモル数が等しくなる場合、呼吸商が1.0となります。
呼吸商・・・炭水化物:1.0、脂質:0.7、たんぱく質:0.8となるため、モル数が等しいのは脂質の燃焼ではなく糖質の燃焼です。
5)×:二酸化炭素産生量は、安静時より運動時に増加します。
二酸化炭素の産生量が増加するのは、エネルギー消費量が増大した場合、つまり栄養素が燃焼されているときなので、運動時のほうが高くなります。

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03

1.直接法では、水温の上昇からエネルギー消費量を評価します。
直接法とは、発生熱量を熱量計の周囲を循環する水の温度の上昇と、水の量によって求める水が吸収した熱量と被験者の体温の変化を考慮して算出します。
24時間以上のエネルギー代謝量を正確に測定できます。

2.正しいです
二重標識水法とは、二重標識水(2H2 18O)を一定期間摂取し、体内の安定同位体の自然存在比よりも高い状態にし、再び自然存在比に戻るまでの間に体外に排泄された安定同位体の経時変化からエネルギー消費量を推定します。
日常生活におけるエネルギー消費量を長期間にわたって正確に測定できます。

3.基礎代謝量は、覚醒状態で測定します。
早朝空腹時(夕食後12~16時間経過)、温度条件(20~25℃)、仰臥・覚醒状態で測定をします。
睡眠状態で測定するのは、睡眠時代謝量です。

4.炭水化物の燃焼では、酸素消費量と二酸化炭素産生量のモル数は等しくなります。
<呼吸商(RQ)=二酸化炭素産生量/酸素消費量>で求められ、体内でエネルギー源栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)が燃焼したときに消費された酸素に対する発生した二酸化炭素の割合のことです。
炭水化物:1.0、脂質:0.7、たんぱく質:0.8です。

5.二酸化炭素産生量は、安静時より運動時に上昇します。
栄養素の燃焼により、二酸化炭素産生量します。運動時の方がエネルギー消費量が増大するため、二酸化炭素産生量は増加します。

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