管理栄養士の過去問
第31回
応用栄養学 問93

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 応用栄養学 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

学童期のエネルギーと肥満に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 基礎代謝基準値(kcal/kg、体重/日)は、幼児期より低い。
  • 推定エネルギー必要量は、基礎代謝量(kcal/日)と身体活動レベルの積である。
  • 原発性肥満より二次性肥満が多い。
  • 学童期の肥満は、成人期の肥満に移行しにくい。
  • 肥満傾向児の割合は、高学年より低学年で高い。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.正しいです。
基礎代謝基準値(kcal/kg、体重/日)は、1~2歳で最も高く、その後低下していきます。

<基礎代謝量目安(kg/日)>
1~2歳・・・ 男:61.0、女:59.7
3~5歳・・・ 男:54.8、女:52.2
6~8歳・・・ 男:44.3、女:41.9
9~11歳・・・ 男:37.4、女:34.8
12~14歳・・・男:31.0、女:39.6
15~17歳・・・男:27.0、女:25.3
18~29歳・・・男:24.0、女:23.6
30~49歳・・・男:22.3、女:21.7
50~69歳・・・男:21.5、女:20.7
70歳以上・・・男:21.5、女:20.7

2.推定エネルギー必要量は、基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベルの+エネルギー蓄積量で求めます。
17歳までは成長に伴う組織の増加を考慮して、エネルギー蓄積量が加算されます。

3.二次性肥満より、原発性肥満が多いです。
*原発性肥満:摂取エネルギー>消費エネルギー
*二次性肥満:疾患、薬物などが原因で起こる肥満

4.学童期の肥満は、成人期の肥満に移行しやすいです。
小児の肥満は成人肥満に移行しやすく、生活習慣病との関連が指摘されています。

<肥満改善にあたり注意すること>
①総エネルギーの5~10%減とする(中・高度の場合は15~20%減)
②間食、炭水化物系食品を制限する
③よく噛み、ゆっくり食べる
④適度な運動を心がける

5.肥満傾向児の割合は、低学年より高学年で高いです。
肥満頻度は、11~12歳が最も高く、学童期は年齢とともに増加します。

参考になった数7

02

1)〇:正しいです。基礎代謝基準値は、乳児期が最も高く、加齢とともに低くなっていきます。
2)×:推定エネルギー必要量は、基礎代謝量と身体活動エネルギーの積、+エネルギー蓄積量を加えたものです。小児期では、成長に伴う細胞の増加を考慮します。
3)×:原発性肥満より、二次性肥満が少ないです。
4)×:学童期の肥満は、成人期の肥満に移行しやすいです。
5)×:肥満児傾向の割合は、低学年より高学年で高いです。

参考になった数1

03

1.○ 正しいです。
 基礎代謝基準値は、乳児期で最も高く、その後加齢に伴い減少していきます。
 幼児期(3~5歳): 男児54.8 女児52.2
 学童期(6~7歳): 男子44.3 女子41.9
    (8~9歳): 男子40.8 女子38.3
    (10~11歳):男子37.4 女子34.8

2.× 推定エネルギー必要量は、基礎代謝量(kcal/日)と身体活動レベルの積にエネルギー蓄積量を加えたものです。
 成長期である17歳までの年齢では、身体活動レベルに必要なエネルギーに加えて、成長に伴う組織の増加を考慮して、エネルギー蓄積量が加算されています。
 また、身体活動レベルについて、5歳までは身体活動レベルの区分はしていません。
 6歳以降は、身体活動レベルの個人差を考慮するために、成人と同じ3区分としました、

3.× 二次性肥満より原発性肥満が多いです。
 原発性(単純性)肥満とは、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることにより起こります。
 二次性肥満は、内分泌疾患や遺伝性疾患、薬物などが原因で起こります。

4.× 学童期の肥満は、成人期の肥満に移行しやすいです。
 学童期の肥満は、約4割が成人期の肥満に移行します。
 この頃の肥満は、発育異常をはじめ、脂質異常症、高血圧、耐糖能の低下などの生活習慣病との関連が指摘されています。

5.× 肥満傾向児の割合は、低学年より高学年で高いです。
 平成27年度学校保健統計より
  6歳: 男子 3.74% 女子 2.24%
  7歳: 男子 5.24% 女子 3.93%
  8歳: 男子 6.70% 女子 5.00%
  9歳: 男子 8.93% 女子 6.31%
  10歳:男子 9.77% 女子 6.99%
  11歳:男子 9.87% 女子 7.42%
 

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