管理栄養士の過去問
第31回
臨床栄養学 問136

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問136 (訂正依頼・報告はこちら)

70歳、男性。慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。身長170cm、体重45kg。基礎代謝量は1,125kcal/日で、半年前と比較して5kgの体重減少がみられた。栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 高度栄養障害である。
  • エネルギー摂取量は、900kcal/日とする。
  • たんぱく質のエネルギー比率は、10%Eとする。
  • 脂肪のエネルギー比率は、15%Eとする。
  • 経腸栄養剤の使用は、禁忌である。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 体重減少率(%)=(健常時体重-現在の体重)/健常時体重×100
高度栄養障害:1週間で2%、1カ月で5%、3カ月で7.5%、6カ月で10%以上減少

半年で10%体重減少しています。
高度栄養障害です。

2. 呼吸不全で体力を消耗するため、エネルギー制限はしません。

3. 高脂肪、高たんぱく、低糖質食にします。たんぱく質エネルギー比率は10%では少なすぎます。

4. 脂肪のエネルギー比率は15%では少なすぎます。

5. 経口摂取で十分に食事が摂取できない場合は、経腸栄養剤を用いることがあります。

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02

1. この患者の身長から求めた理想体重(IBW)は、
(1.7)2×22=63.58kg
実際の体重は45kgなので、%理想体重(%IBW)は、
(45/63.58)×100=70.7%
高度栄養障害は、%IBWが70%未満の状態をさしますが、高度に近い栄養障害は起こっているといえます。

2. 基礎代謝量が1125kcal/日なので、900kcal/日では少なすぎます。

3. 健常な70歳男性のたんぱく質のエネルギー比率が13〜20%Eなので、10%Eでは少なすぎます。

4. 健常な70歳男性の脂質のエネルギー比率が20〜30%Eなので、15%Eでは少なすぎます。

5. 食欲不振などが見られる場合には、経腸栄養剤も使用し、じゅうぶんな栄養を摂取させる必要があります。

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03

1.高度栄養障害は、1か月で3%以上、3か月で5%以上、6か月で10%以上の体重減少がある状態です。体重減少率は、過去(標準)と現在の体重差㎏÷過去(標準)体重㎏で求めることができますので、18.6㎏(標準体重-現在の体重)÷63.6㎏(標準体重)×100=29.2となり、6か月(半年)で10%以上の体重減少があり、高度栄養障害です。

2.COPD患者のエネルギー摂取量は、安静時エネルギー代謝量の1.5~1.7倍は必要なので、900kcal/日は少なすぎます。

3.体重が、標準体重(63.6㎏)の80%未満の場合は、筋たんぱく質が減少している可能性が高いため、たんぱく質のエネルギー比率が10%Eというのは少なすぎます。

4.COPD患者は、たんぱく質同様、脂肪量減少もきたいているため、脂肪のエネルギー比率が15%Eというのは少なすぎます。

5.高栄養の食事を摂取する必要があるため、適宜経腸栄養剤を使用します。

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