管理栄養士の過去問
第31回
臨床栄養学 問138

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問138 (訂正依頼・報告はこちら)

消化管手術後の病態とその栄養管理の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 食道がんの術後 ---------- 少量頻回食
  • 胃切除後の早期ダンピング症候群 ----- 高炭水化物食
  • 胃切除後の後期ダンピング症候群 ----- 低カリウム食
  • 小腸の大量切除後 ------- 低たんぱく質食
  • S状結腸がんの術後 ----- 水分制限

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正解です。食道がんの術後は、食べ物が飲み込みにくくなったり、一度にたくさんの量が食べられなくなったりするので、少量頻回食を行います。

2. 早期ダンピング症候群では、糖質の摂取を制限します。そして、高たんぱく質、高脂質の食事を摂取します。

3. 後期ダンピング症候群では、食後の一時的な高血糖がインスリン過剰分泌を引き起こし、その反動で低血糖となるため発症します。早期ダンピング症候群と同様、低炭水化物、高たんぱく質、高脂質の食事の摂取を基本とします。

4. 小腸を大量に切除すると、短腸症候群を引き起こし、栄養素の吸収が不十分になります。症状に応じて、中心静脈栄養や経腸栄養剤を用います。

5. S状結腸がんの術後は、水分吸収が低下することにより下痢や軟便を引き起こします。そのため、水分は制限せず、適宜補充します。

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02

1.食道がんの術後は、通過障害をきたす可能性があるため、少量頻回食とします。

2.胃切除後の早期ダンピング症候群では、消化スピードが早い炭水化物は控え、消化の遅いたんぱく質、脂質中心の食事をゆっくり頻回に分けて摂取します。

3.胃切除後の後期ダンピング症候群では、急激に血糖値が上がることで、インスリンが過剰分泌するために、食後2~3時間後に低血糖になりやすいです。低カリウム食は必要ありません。

4.小腸の大量切除後は、低たんぱく質食である必要はありません。小腸は、脂質の消化吸収に関係するため、脂質は制限する必要があります。

5.S状結腸がんの術後は、水分制限の必要はありません。

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03

1. 食道がん術後は食道の通過障害がある場合があるため、少量頻回食にします。

2. 早期ダンピング症候群とは浸透圧の高い食物成分が大量に小腸へ流入することにより、腸管内に大量の血液成分が滲出し、循環血液量が減少するために発症します。高たんぱく質、高脂肪、低炭水化物食で少量頻回食とします。

3. 後期ダンピング症候群とは食後の一過性高血糖とインスリンの過剰分泌による低血糖によって発症します。早期ダンピング症候群と同様に高たんぱく質、高脂肪、低炭水化物食で少量頻回食とします。カリウムを制限する必要はありません。

4. 小腸の大量切除後、吸収面積の現象により栄養素の吸収不良が起きることを短腸症候群といいます。最初は経静脈栄養から行い、その後経腸栄養や経口栄養にしていきます。脂質の少ないものから始めますが、たんぱく質を制限する必要はありません。

5. 水分は不足しないよう十分摂取します。

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