管理栄養士の過去問
第32回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問30

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第32回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問30 (訂正依頼・報告はこちら)

腎と尿路系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 尿細管は、糸球体とボーマン嚢で構成される。
  • 原尿中のグルコースは、50%以上が尿中へ排泄される。
  • ナトリウムの再吸収は、アルドステロンにより低下する。
  • レニンの分泌は、循環血液量が低下すると亢進する。
  • 腎不全が進行すると、代謝性アルカローシスになる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解.4
レニンは、腎臓で生成されるタンパク質分解酵素です。血圧や血液量の調節に関わっているので、血圧が低下し、循環血液量が低下すると、レニンの分泌は亢進します。

1.誤りです。
糸球体とボーマン嚢で構成されているのは、「腎小体」です。尿細管は、ボーマン嚢から出る細長い管で、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管、集合管からなります。
2.誤りです。
原尿中のグルコースは、尿細管で全てが再吸収されます。尿中へ排泄されるのは、老廃物や有害物質、過剰な水分、電解質などです。しかし、糖尿病や腎性糖尿だと再吸収が追い付かなくなり、グルコースが尿中に排泄されます。
3.誤りです。
アルドステロンとは、副腎皮質ホルモンの一つです。働きとしては、腎臓の尿細管に作用し、ナトリウムの再吸収を促進させ、カリウムの尿への排泄を促進させます。
5.誤りです。
腎不全になると、血液中の水素イオンの尿中への放出量が低下するので、血液中の㏗が下がります。この事から、腎不全が進行すると、「代謝性アシドーシス」になると言えます。代謝性アルカローシスとは、体がアルカリ性に傾きすぎてしまった状態の事です。

参考になった数29

02

正解は(4)

(1)誤り。
糸球体とボーマン嚢で構成されているのは、【腎小体】です。

(2)誤り。
原尿中のグルコースは、通常であれば、ほとんど再吸収されるので尿中へはほとんど排泄されません。

(3)誤り。
アルドステロンは腎臓において、ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進させます。

(4)正解。

(5)誤り。
腎不全が進行すると、代謝性アシドーシスになります。

参考になった数6

03

正解は4です。

1.糸球体とボーマン嚢で構成されるのは、腎小体です。
腎臓には腎小体が約100万個存在します。腎小体は、尿細管の末端から膨大したボーマン嚢と、毛細血管の塊である糸球体から構成されています。
尿細管は、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管と区別されており、糸球体からのろ過液の大部分は、この尿細管を通過する間に再吸収されます。

2.原尿中のグルコースは、ほとんど再吸収されるため、尿中への排泄はありません。しかし、糖尿病になると尿細管での再吸収が追いつかなくなり、尿中へと溢れ出てしまいます。

3.ナトリウムの再吸収は、アルドステロンという副腎皮質から分泌されるホルモンにより促進されます。

4.循環血液量が低下すると、腎臓の傍糸球体細胞からレニンが分泌され、血液中のアンジオテンシノーゲンと反応し、アンジオテンシンⅡが生成されます。このアンジオテンシンⅡは、副腎皮質からアルドステロンを分泌させ、ナトリウムを体内に留めることで、循環血液を増加へと導きます。

5.腎不全が進行すると、塩酸基平衡で重要な役割をしている水素イオンや重炭酸イオンのバランスが崩れ、体が酸性に傾くことで、代謝性アシドーシスとなってしまいます。

参考になった数4