管理栄養士の過去問
第32回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問43
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問題
第32回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
免疫・アレルギー疾患に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
- 全身性エリテマトーデス( SLE )は、男性に多い。
- 強皮症では、食道の蠕動運動は低下する。
- バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン( TSH )に対する抗体により発症する。
- シェーグレン症候群では、唾液の分泌が増加する。
- エイズ( AIDS )では、日和見感染が起こる。
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この過去問の解説 (3件)
01
(1)誤り。
全身性エリテマトーデスは【女性】に多い疾患です。
(2)正解。
強皮症とは皮膚や肺、胃など内臓諸臓器の線維化を特徴とする膠原病の一つであり、特に中年女性に好発する疾患です。
■肺症状…肺線維症など
■皮膚症状…仮面様顔貌、手や皮膚の浮腫性硬化(ソーセージ様手指)、レイノー現象など
■消化管症状…嚥下障害
■腎症状…強皮腎症クリーゼ(高血圧、腎不全)
■その他…関節痛、色素沈着、こわばりなど
(3)誤り。
甲状腺刺激ホルモンではなく、甲状腺刺激ホルモン受容体です。
(4)誤り。
増加ではなく、減少です。
シェーグレン症候群とは、唾液腺や涙腺に起こる自己免疫性疾患です。
炎症などにより外分泌腺の萎縮が起き、唾液が減少します。
う歯や口内炎、舌炎が起きやすくなり、涙の分泌も減少し、結膜炎を引き起こしやすくします。
(5)正解。
エイズはCD4陽性リンパ球と呼ばれるものが減少します。
エイズウイルスは細胞表面部に存在するCD4というタンパク質をもつCD4陽性T細胞(この多くはヘルパーT細胞です。)に感染し、この細胞を殺してしまうため、免疫機能が弱まり、日和見感染を起こします。
日和見感染とは、通常問題なく対処できる菌であるにも関わらず、免疫力が低下し、本来の力が発揮できず、日和見菌に感染してしまうことを言います。
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02
1.全身性エリテマトーデス(SLE)は蝶形紅斑、日光過敏症、関節炎、全身倦怠感などの症状がみられ、主に女性に多い疾患です。
2.強皮症では、食道下部に硬化が生じ、食道蠕動低下により逆流性食道炎や嚥下障害などがみられます。
3.バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHレセプター)に対する抗体が出現します。
4.シェーグレン症候群では、唾液の分泌が低下します。その他に、目の乾燥や鼻腔などの症状がみられます。
5.エイズ(AIDS)では、日和見感染が起きます。
日和見感染とは、免疫力が弱まった宿主に、普通は病原性を示さない菌に感染して発症することをいいます。
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03
2.強皮症は、皮膚や内臓が硬くなったり、線維化が起きる疾患です。食道壁も線維化するので、食道での蠕動運動も低下します。
5.エイズとは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞が破壊され、病原体から身体を守る事ができなくなる疾患です。健康な人では起こさない感染症の病原体でも感染してしまう日和見感染が起こります。
1.誤りです。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫機能になんらかの異常があると、自分自身の細胞を攻撃します。そして、全身の臓器に炎症が起こる疾患です。男女比は、1:9で女性が多く、20~40歳代の発症が多いです。
3.誤りです。
バセドウ病は、甲状腺ホルモン受容体が、自己免疫疾患の原因で異物とされ、攻撃を受けます。その刺激により、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促すホルモンなので、過剰に分泌されると、心臓や消化器官が過剰に働きます。
4.誤りです。
シューグレン症候群は自己免疫疾患で、涙腺や唾液腺など全身の分泌腺を攻撃するので、唾液は減少します。女性が多く発症します。
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