管理栄養士の過去問
第32回
食べ物と健康 問56

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問56 (訂正依頼・報告はこちら)

油脂の酸化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 動物性油脂は、植物性油脂より酸化されやすい。
  • 酸化は、不飽和脂肪酸から酸素が脱離することで開始される。
  • 過酸化脂質は、酸化の終期に生成される。
  • 発煙点は、油脂の酸化により低下する。
  • 酸化の進行は、鉄などの金属によって抑制される。

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この過去問の解説 (4件)

01

(1)×
油脂は動物性油脂より植物性油脂の方が酸化されやすいです。
(2)×
酸化は不飽和脂肪酸から酸素ではなく、水素が脱離することで開始されます。
(3)×
過酸化脂質は酸化の終期だけではなく、進行途中から長く続きます。
(4)〇
(5)×
酸化は鉄などの金属によって促進されます。

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02

正答は(4)。

解説
(1) 動物性油脂は飽和脂肪酸が多く、植物性油脂は不飽和脂肪酸が多く含まれます。
飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸に比べて酸化されにくいです。

(2) 酸化は、不飽和脂肪酸に酸素が添加されることで開始されます。

(3) 過酸化脂質は、酸化の始まりの時期に生成されます。

(4) 発煙点は、油脂が加熱されるときに煙が発生する温度のことです。
油脂にトリアシルグリセロール以外の成分を含んでいると発煙点は低下するため、油脂の精製度の目安として利用されます。

(5) 油脂の劣化(酸化)は、光、熱、ペルオキシラジカル、放射線、金属などによって、不飽和脂肪酸に含まれている水素が引き抜かれる事により、脂質ラジカルとなる事で起こり促進されます。

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03

油脂の酸化に関する問題です。

選択肢1. 動物性油脂は、植物性油脂より酸化されやすい。

植物油や魚油に含まれる不飽和脂肪酸は水素の反応性が高いので、飽和脂肪酸の多い動物油より酸化しやすいです。

選択肢2. 酸化は、不飽和脂肪酸から酸素が脱離することで開始される。

酸化は不飽和脂肪酸から、水素が引き抜かれることによって起こります。

選択肢3. 過酸化脂質は、酸化の終期に生成される。

過酸価物価は酸価の初期の指標であるため過酸化油脂は酸価の初期に生成されます。

選択肢4. 発煙点は、油脂の酸化により低下する。

正しいです。

油脂は酸価がすすむと発煙点が低くなります。

選択肢5. 酸化の進行は、鉄などの金属によって抑制される。

酸化は鉄など、微量の金属イオンの存在によって促進されます。

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04

正解は4

油脂の発煙点は、酸化による油脂の変敗が進むほど低下します。

1:× 油脂の酸化は不飽和脂肪酸含量の高い油脂ほど進みやすくなります。そのため動物性油脂よりも植物性油脂の方が酸化されやすいです。

2:× 不飽和脂肪酸のメチレン基から水素が脱離することで開始されます。

3:× 過酸化脂質は酸化の初期に生成されます。酸化の終期には遊離脂肪酸が生成されます。

5:× 金属イオンにより水素イオンが脱離しやすくなるため、酸化が促進されます。

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