管理栄養士の過去問
第32回
食べ物と健康 問59
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問題
第32回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問59 (訂正依頼・報告はこちら)
食品中の有害物質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- アクリルアミドは、畜肉や魚肉を高温で調理した際に生成する。
- Trp-P-1は、チロシン由来のヘテロサイクリックアミンである。
- 畜牛の舌は、異常プリオンの特定危険部位である。
- アフラトキシンは、煮沸すると容易に分解する。
- 米には、カドミウムの基準値が設定されている。
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この過去問の解説 (4件)
01
解説
(1) アクリルアミドは、食品中のアミノ酸であるアスパラギン酸とブドウ糖や果糖などのカルボニル化合物によりおこるアミノ・カルボニル反応によりできます。
つまり、植物性食品を加工する際に産生されやすいです。
反応は120℃以上の高温加熱される事により起こります。
ヒトに対し神経毒性や生殖毒性を持ちます。
(2) Trp-P-1は、Trpとあるように、L-トリプトファンから生成されるヘテロサイクリックアミンです。
発がん性があると言われています。
(3) 異常プリオンの特定危険部位は30ヵ月齢の頭部が含まれていますが、舌や頰肉、皮は食べることができます。
特定危険部位は30ヵ月齢の頭部(上記を覗く)、脊髄、脊柱と全月齢の扁桃、回腸遠位部分です。
(4) アフラトキシンは、熱に強く、300℃以上で加水分解します。
ちなみに、10種類の化学構造があり、急性毒性の強さが変わります。
(5) カドミウムはイタイイタイ病の発生より、食品規格基準として清涼飲料水では検出しないこととされています。
玄米では、カドミウムやカドミウム化合物に対し成分規格が設定されています。
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02
2. Trp-P-1はトリプトファン由来のヘテロサイクリックアミンです。
3.牛の脳や脊柱、脊髄などが異常プリオンに指定されています。
4.アフラトキシンは熱に強く、分解には300度以上での加熱が必要です。
5.正解。コメにはカドミウムの基準値が設定されています。カドミウムはイタイイタイ病の原因物質です。
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03
アクリルアミドはイモ類などを高温で調理したときに発生します。
(2)×
Trp-P-1はチロシン由来ではなく、トリプトファン由来のヘテロサイクリックアミンです。
(3)×
牛の舌を除く頭部や脊柱などが異常プリオンに指定されています。
(4)×
アフラトキシンは煮沸程度では分解されません。
300度以上の加熱が必要になります。
(5)〇
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04
カドミウムは土壌中など自然界に広く分布する成分です。過去にカドミウム中毒であるイタイイタイ病が公害として問題となった背景から、安心して米を摂取できるようカドミウムの基準値が設けられています。
1:× アクリルアミドの生成機序は解明されていませんが、特定のアミノ酸と還元糖が存在する状態での加熱操作で起こるアミノカルボニル反応(メイラード反応)の副産物であると言われています。多く含まれる食品として、ポテトチップス、フライドポテトなどが挙げられます。
2:× Trp-P-1はトリプトファン由来のヘテロサイクリックアミンです。ヘテロサイクリックアミンは発がん性物質です。
3:× 異常プリオンの特定危険部位は畜牛の脳や脊髄です。
4:× アフラトキシンはカビ毒で、通常の調理条件(100℃〜210℃)で60分以上加熱しても分解されません。
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