管理栄養士の過去問
第32回
食べ物と健康 問58

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問58 (訂正依頼・報告はこちら)

寄生虫に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • さば中のアニサキスは、食酢の作用で死滅する。
  • 回虫による寄生虫症は、化学肥料の普及で増加した。
  • 日本海裂頭条虫は、ますの生食によって感染する。
  • サルコシスティスは、ほたるいかの生食によって感染する。
  • 横川吸虫は、さわがにの生食によって感染する。

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この過去問の解説 (4件)

01

1.アニサキスは耐酸性が強いので食酢での殺菌は無効です。冷凍、もしくは加熱が有効です。

2.寄生虫症は減少しています。

3.正解。日本海裂頭条虫は、ますの生食によって感染します。

4.サルコシスティスは馬肉の生食により感染します。生で提供する場合冷凍が義務付けられています。ホタルイカの寄生虫は旋尾線虫です。

5.横川吸虫は鮎や白魚の生食により感染します。サワガニの生食で感染するのは肺寄生虫です。

参考になった数23

02

正答は(3)。

解説
(1) さば中のアニサキスは、胃酸のpH1.0-1.5にも耐えうる耐酸性菌です。

(2) 回虫は野菜や土壌に存在し、人の腸管に寄生します。
そのため、人糞肥料から化学肥料に切り替えた事で減少しました。

(3) 日本海裂頭条虫(サナダムシ)は、サケやますの生食によって感染します。

(4) サルコシスティスは、馬肉に寄生する寄生虫です。
犬などが環境中に糞をする際に糞のなかに排出し、その糞に汚染された資料を馬が摂取する事によって馬の筋肉中に寄生します。

(5) 横川球虫は、アユや白魚に寄生し、その生食によって感染します。
腸管に寄生し、腹痛や下痢を引き起こします。

参考になった数4

03

正解は3

日本海裂頭条虫の第1中間宿主はケンミジンコ、第2中間宿主はマス、サケ、タラであるため、マスの生食で日本海裂頭条虫に感染する危険性があります。

1:× アニサキスは耐酸性が強く、通常の調理の食酢処理では死滅しません。加熱、冷凍などの処理で死滅させることができます。

2:× 回虫は野菜や飲料水等が感染源となります。特に野菜においては近年のオーガニック農法ブームによる、加熱処理されない人糞を含む肥料の使用等が感染増加の原因となっています。

4:× サルコシスティスは爬虫類、鳥類、哺乳類を宿主とする寄生虫であるため、ほたるいかの生食によって感染することはありません。

5:× 横川吸虫はアユ、ウグイ、シラウオ等を宿主とする寄生虫です。さわがにを宿主とする寄生虫は肺吸虫です。

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04

(1)×
アニサキスは食酢での殺菌効果はなく、50~70℃の温度で死滅するため、加熱が必要になります。
(2)×
寄生虫症は、化学肥料の普及により現在は大幅に減少しています。
(3)〇
(4)×
サルコシスティスはほたるいかではなく、馬肉を介して感染する寄生虫です。
(5)×
横川吸虫はさわがにではなく、あゆやしらうおの生食により感染します。

参考になった数2