管理栄養士の過去問
第32回
基礎栄養学 問74

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問74 (訂正依頼・報告はこちら)

たんぱく質の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 食品たんぱく質の栄養価は、アミノ酸の総量で決まる。
  • アミノ酸価は、食品たんぱく質中の理想的な可欠( 非必須 )アミノ酸量を示す。
  • 制限アミノ酸が複数ある食品に、第一制限アミノ酸のみを加えると、栄養価が低下することがある。
  • たんぱく質効率比( protein efficiency ratio )は、窒素出納を基にして算出される。
  • 飢餓状態では、窒素出納は正になる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(3)。

解説
(1) 食品のたんぱく質の栄養価は、必須アミノ酸の総量で決まります。

(2) アミノ酸価は、食品たんぱく質中の理想的な必須アミノ酸量を示します。

(3) これを、アミノ酸インバランスと言います。

(4) たんぱく質効率比は、体重増加量/摂取たんぱく質量×100で算出されます。
つまり、体重とたんぱく質の摂取量を基にして算出されます。

(5) 飢餓状態では、窒素摂取量が減少し、また、筋肉の分解が起こることで体たんぱく質が減少。
窒素出納は負となります。

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02

答えは(3)

(1)✖ 食品たんぱく質の栄養価の評価には生物学的評価法と化学的評価法があります。生物学的評価法では、体内に保留されるタンパク質の量が評価され、化学的評価法では必須アミノ酸の組成が評価されます。

(2)✖ アミノ酸価は、食品たんぱく質中の個々の必須 アミノ酸量を、それぞれのアミノ酸の理想的な量を含む「基準タンパク質」の必須アミノ酸値を100として比較し、最も不足するアミノ酸(第一制限アミノ酸)の値で評価されます。

(3)〇 制限アミノ酸が複数ある食品に、第一制限アミノ酸のみを加えると、不自然なバランスにより体は他のアミノ酸が総体的に不足していると錯覚し、栄養価が低下することがあります(アミノ酸インバランス)。 穀類と肉・魚など、不足するアミノ酸を補える食べ合わせでは栄養価が改善し、アミノ酸の補足効果が得られます。

(4)✖ たんぱく質効率比は、体重増加を基にして算出されます。ただし、体重増加はたんぱく質の摂取量だけでなく、エネルギー摂取量等にも影響を受けるため、正確な測定は困難です。

(5)✖ 飢餓状態では、体に入ってくる窒素は減少しますが、筋肉など体タンパク質の分解によりエネルギーを得ることで窒素の排出は起こるので、窒素出納は負になります。

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03

(1)×
たんぱく質の栄養価はアミノ組成で評価しているため、アミノ酸総量です。
(2)×
アミノ酸化価は可決アミノ酸量ではなく、不可欠アミノ酸量を示しています。
(3)〇
このことがアミノ酸インバランスと呼ばれています。
(4)×
たんぱく質効率比とは、1gのたんぱく質でどのくらい体重増加したかの効率を示すものです。
(5)×
窒素出納とは摂取したたんぱく質より排出される方が多いと負、摂取した方が多いと正になります。
飢餓状態では、摂取するたんぱく質が少ないため窒素出納は負となります。

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