管理栄養士の過去問
第32回
基礎栄養学 問76

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問76 (訂正依頼・報告はこちら)

食物繊維と難消化性糖質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 不溶性食物繊維は、血圧を上昇させる。
  • 水溶性食物繊維は、大腸内pHを上昇させる。
  • 難消化性糖質は、インスリンの分泌を促進させる。
  • 難消化性糖質の過剰摂取は、便秘を引き起こす。
  • 有用菌増殖効果のあるオリゴ糖は、プレバイオティクスである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は(5)。

解説

(1) 不溶性食物繊維は、血圧を降下させます。

その他、便の量を増やすという作用があります。

(2) 水溶性食物繊維は、腸内pHを低下させます。

また、血清コレステロールを低下させたり、食後血糖値の上昇を抑制したりします。

(3) 難消化性糖質は、大腸細菌による分解を受けるため消化されず、食後の血糖値を上昇させません。

つまり、インスリンの分泌も起こさせません。

(4) 難消化性糖質の過剰摂取は下痢を誘発することがあります。

(5) プレバイオティクスとは、大腸内の有用菌を増やす働きをする物質のことです。

プロバイオティクスは、腸内細菌など有用な菌のバランスを改善するなどの働きをする物質のことです。

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02

(1)×
不溶性食物繊維に血圧上昇させる効果はありません。
(2)×
水溶性食物繊維は大腸内pHを低下させ、腸内環境の改善効果があります。
(3)×
難消化性糖質はインスリン分泌を抑制するため、ゆるやかに血糖値が上がる効果があります。
(4)×
難消化性糖質は過剰摂取で下痢を起こすことがあります。
(5)〇
有用菌を増やす効果のあるものをプレバイオティクス、菌そのものの乳酸菌などをプロバイオティクスといいます。

参考になった数5

03

答えは(5)

(1)✖ 食物繊維は、血圧を軽度に低下させることが報告されています。

(2) ✖ 水溶性に限らず、食物繊維は腸内細菌による発酵分解の過程で酸を発生するので、大腸内pHを低下させます。

(3)✖ 上記のように難消化性糖質の代謝は腸内細菌により行われるので、インスリンの働きを介しません。

(4)✖ 難消化性糖質の一部である食物繊維の摂取は、糞便量を増加させますが、便秘の改善に寄与するかはまだ不明です。

(5)〇 有用菌増殖効果により腸内環境を健康的にする難消化性オリゴ糖は、プレバイオティクスとしてよく利用されます。一方、生きたまま腸に届いて腸内環境の改善に貢献する微生物をプロバイオティクスといいます。

参考になった数2