管理栄養士の過去問
第32回
臨床栄養学 問128
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問題
第32回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問128 (訂正依頼・報告はこちら)
消化器疾患とその栄養管理の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 胃・十二指腸潰瘍 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 炭水化物制限
- たんぱく漏出性胃腸症 −−−−−−−−−−−−−−−−− たんぱく質制限
- C型慢性肝炎 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 鉄制限
- 非アルコール性脂肪性肝疾患( NAFLD ) −−− 食物繊維制限
- 胆石症 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水分制限
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この過去問の解説 (3件)
01
1.(誤)胃・十二指腸潰瘍・・・アルコール、カフェイン、香辛料など刺激の強い食品
2.(誤)たんぱく漏出性胃腸症・・・タンパク質の漏出により低タンパク質血症を引き起こすことから、高タンパク質食とします。
3.(正)C型慢性肝炎・・・肝細胞に鉄の過剰蓄積がみられ、この蓄積した鉄が過酸化水素と反応して活性酸素を発生させ、肝細胞を傷つけ病態を悪化させます。そのため、鉄制限を必要とします。
4.(誤)非アルコール性脂肪性肝疾患・・・食物繊維の制限はありません。適正なエネルギー、脂質の摂取が勧められます。
5.(誤)胆石症・・・高脂肪食を控え、適度な水分摂取とともに、水溶性の食物繊維、ビタミンCの摂取が勧められます。
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02
1.(誤)胃・十二指腸潰瘍では、回復のために充分なエネルギーとたんぱく質が必要となるので、エネルギーの中心となる炭水化物の制限は行いません。
制限するのは刺激の強い香辛料・アルコール・カフェインなどです。
2.(誤)たんぱく漏出性胃腸症とは、消化器官の粘膜からたんぱく質が異常に流出する疾病です。これによって低たんぱく質血症が発生します。
そのため、通常時よりも多くのたんぱく質の摂取が必要となります。
3.(正)C型肝炎では、余剰な鉄分が肝臓内に蓄積し、過酸化水素と反応します。この際活性酸素が発生し肝細胞を傷つけます。よって鉄分の制限が必要です。
4.(誤)非アルコール性脂肪性肝疾患( NAFLD )では、食物繊維の制限はありません。必要エネルギー以上のエネルギー、脂質の摂取を行わないようにします。
5.(誤)胆石症では、脂質の摂取によって胆のうが収縮し、胆石が胆のう内で痛みをおこす胆石発作が起こります。
よって、制限するのは脂質です。
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03
1:栄養状態の低下を防ぎ、病巣の修復を促すためにも十分なエネルギー量を確保することが望ましいとされています。
また、炭水化物は比較的消化しやすいため、制限する必要はありません。
2:たんぱく漏出性胃腸症とは血漿中のたんぱくが胃腸管内へ異常に漏出することによって低たんぱく血症をきたす病態のことで、高エネルギー、高たんぱく、低脂質の食事が望ましいとされます。
3:正解です。
肝炎の中でも特にC型肝炎では、余剰な鉄分が肝臓内に蓄積し、肝障害を引き起こすため、鉄分の制限が必要です。
4:NAFLDでは、腸管の免疫保持や、血中脂質の是正のため食物繊維は十分に
摂取することが望ましいため、制限はありません。
NASH・NAFLDの診療ガイドによると、NASH(NAFLDが重症化したもの)の食事療法の基本として、脂肪エネルギー比20%以下、禁酒とする、とあります。
5:胆石症は肝臓で生成・分泌された胆汁の成分が固まって結石となり、胆管や胆嚢に留まる疾患です。
急性期は絶食とし、回復期は徐々に普通食に切り替えますが、特に脂質を制限することが重要となります。
水分制限はありません。
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