管理栄養士の過去問
第32回
臨床栄養学 問136

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問題

第32回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問136 (訂正依頼・報告はこちら)

内分泌疾患の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • クッシング症候群では、インスリン感受性が亢進する。
  • クッシング症候群では、カリウム制限食とする。
  • バセドウ病では、基礎代謝が亢進する。
  • バセドウ病では、たんぱく質制限食とする。
  • 橋本病では、血清総コレステロール値が低下する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:「3」

1:クッシング症候群では、コルチゾール過剰により糖新生の亢進やインスリン抵抗性が増大し、糖尿病がみられます。

2:コルチゾールのアルドステロン様作用により、Naや水が貯留し、低K血症となるため、カリウムの制限は行いません。

3:正解です。
バセドウ病は甲状腺機能亢進症であり、基礎代謝が亢進します。

4:バセドウ病では代謝の亢進により消費エネルギーが増加するため、十分な栄養を摂取することが必要です。
したがってたんぱく質の制限は行わず十分に摂取することが望ましいです。

5:橋本病では血清総コレステロール値の増加がみられます。低下がみられるのは、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)です。

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02

正解は「3」

1.(誤)クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが異常に分泌される疾病です。
コルチゾールは血糖値の上昇や、糖新生の活性化をつかさどるホルモンなので、中心性肥満などの症状が発生します。
インスリン感受性は低下し、高血糖などの症状も現れます。

2.(誤)クッシング症候群では、カリウムの制限は行われません。

3.(正)バセドウ病は甲状腺ホルモンが異常に分泌され、甲状腺機能亢進状態になる自己免疫性疾患です。甲状腺ホルモンは代謝を活発化させるので、基礎代謝の亢進が起こります。

4.(誤)バセドウ病では、昆布などの海藻類に含まれるヨウ素の制限が行われます。

5.(誤)橋本病とは甲状腺機能が低下する疾病のことをさします。甲状腺機能が低下すると、体内の脂肪分解の機能なども低下するため、血中に余るような状態となり、血清総コレステロール値が上昇します。

逆にバセドウ病では、甲状腺機能が増加することで、脂肪がどんどん分解・消費されていくため、血清総コレステロール値が低下します。

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03

正解は【3】です。

1.(誤)クッシング症候群は、肩甲骨への脂肪沈着や鎖骨上部への脂肪沈着が認められます。コルチゾール自身の脂肪分化促進作用に加え、コルチゾール過剰によるインスリン抵抗性亢進に伴う高インスリン血症も脂肪蓄積に促進的に作用します。

2.(誤)クッシング症候群では、低カリウム血症が認められるため、カリウム制限は行われません。

3.(正)バセドウ病は20~30代の若い女性に多い病気です。甲状腺が過剰に反応し、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌され、甲状腺機能亢進状態になります。そのため新陳代謝が活発になり、基礎代謝が亢進されます。

4.(誤)バセドウ病は、特に食事制限はありませんが、昆布などヨウ素を含む海藻類などは控えた方がよいです。

5.(誤)橋本病では、血清総コレステロール値が上昇します。逆に低下する疾病は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)です。

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